介護データの「見える化」とは?問題点がよくわかる情報の伝え方

安全・安心な介護サービスを提供するため、情報共有は欠かせない作業です。とはいえ、情報量が多いと問題点が正しく伝わらないこともあるでしょう。グラフなどを使いながらデータをわかりやすく「見える化」することで、正しい情報共有が期待できます。現場での事故を未然に防ぐためにも、情報の伝え方としての「見える化」について見直してみましょう。

「見える化」により皆が危険に気づけます

介護の現場では、日々さまざまなデータが記録されています。介護事故の内容や利用者からのクレーム、ヒヤリハットなど、安全な施設づくりにはどれも欠かせない内容でしょう。ただし、情報の記録が必ずしも危険の認識と排除につながるとは限りません。情報を活かし、いち早く対策をとることが大切なのです。

情報を集めただけでは危険を排除できない?

情報は集めただけでは意味がありません。情報を分析し、現場の危険性や問題点について洗い出した後、重要性を職員に伝える必要があるのです。そのために役立つツールが、グラフなどのデータです。ビジュアル化することで異変や危険がわかりやすくなり、職員が問題点に気づきやすくなるでしょう。

共通認識しやすいデータを作りましょう

情報伝達は意外と難しい作業です。同じ情報を見ても人によって捉え方が異なるため、最も理解してほしい内容が伝わらない可能性があるのです。

例えば「ヒヤリハットの発生件数が前月の2倍に増えている」という状況を全職員に理解してもらうため、月ごとのデータを数値のみで公開したとします。このとき「全体的に発生件数が多い」と、意図とは異なった捉え方をする人もいれば、「発生件数が前月の2倍になっている」と期待通りの理解をし、伝えたいことの本質に気づく人もいるでしょう。つまり、データを渡しただけでは作成者の「狙い」が正しく伝わらないことがあるのです。

問題点を伝える場合、全員が同じ認識になるように、わかりやすい形にする必要があるといえます。情報をグラフなどにして「見える化」を行えば、職員全体が共通認識を持ちやすくなるでしょう。

重要なのは「気づき」と「対処」

ただし、データをビジュアル化しただけでは、本当の意味で「見える化」したとはいえません。事故が起こる前に予兆を見つけ出し、その後、問題を早い段階で解決できたかどうかが重要です。

「見える化」の第一人者である遠藤功氏は「見たくなくとも見えること」が重要だと述べています。「見る」ためには本人の意思が必要ですが、本人の意思と関係なく「見せる」ことで、全職員に現実を伝え、問題があることへの気づきを促し、早期解決へと導くことができるのです。例えば、トラブル発生時にアラームを使った場合、職員は自身の意思と関係なく、問題に気づくことができますが、それと同様に「見せる」ことがアラームとなるのです。アラームに気づくことによって、何らかの対処が必要という意識が生まれ、問題が危険に変わる前に、早い段階での問題解決につながるのです。

また、情報の過剰供給にも気をつけたいところです。余計な情報を与えることで、かえって混乱を招き問題を見逃してしまう可能性もあるでしょう。現場での気づきを与えることこそが「見える化」の本質であり、重要なポイントであるので、常に状況の詳細を伝えることは必ずしも必要ではない場合もあります。

データをグラフ化するには? おすすめのツール

すでにあるデータを「見える化」する場合、グラフ化や分析ツールの利用が有効でしょう。グラフはエクセルを使えば簡単に作れますが、見やすさ・使いやすさにこだわるなら「介護業務の記録システム」がおすすめです。各社ではさまざまな記録システムが開発されており、データの分析やグラフの作成などを行ってくれるため、職員の手間が省けるでしょう。

まとめ

介護データは「見える化」することで、問題点を正確に伝えて共有することができます。グラフや図表を使い、情報を理解しやすい形で提供してみましょう。伝え方に一工夫加えて「見える化」することで、職員の「気づき」を促し、正しい情報伝達と情報共有に役立ちます。

ただし、「見える化」の本質は事故の予兆を見つけ出す「気づき」にあります。グラフ作成にこだわるのではなく、データを元にいち早く問題に気づいて危険を見抜き、対処できるようにすることが最も大切だといえるでしょう。

参考:

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