センサー見守りがプライバシーを守る 自分らしさとADLを考えた介護施設の生活

いつまでも自分らしくありたい。施設に入所されている方々にとって、プライバシーはデリケートで重要な問題です。安全への配慮が過剰になり、施設内に監視カメラを張り巡らすことは、反面、入所者にとっては息苦さが増すので、生活の質(QOL)の低下にもつながります。一方、センサーによる見守りは、プライバシーに配慮しながら安全を担保する賢い選択です。とはいえ、認知症の周辺症状(BPSD)がある人には、安全確保の面からカメラでの見守りにも切り替え可能な「Vi-nurse(ビーナース)」が有効です。

介護施設においての見守りとプライバシーへの配慮について考え、利用者の状態に合わせて柔軟に機能を拡張できる進化形ナースコールシステムについてお伝えします。

 

安全性はすべての基本だけど、見守りはどうあるべき?

iStock-113578801.jpg

高齢者施設で最も重要視されるのが安全性です。スタッフは利用者が転倒や転落、誤飲・誤嚥などの事故が起こらないよう、また、急な体調の異変などにも早急かつ適切に対応できるよう、つねに配慮しなければなりません。加えて、高い防災性や防犯性も求められます。

介護施設に入所する高齢者にとって、入所後の生活の質(QOL)はそれ以前よりも向上することが望まれますが、それは安全に生活できることが保証されていて初めて成り立つものです。そのために欠かせないのが見守り業務ですが、近年では見守りにネットワークカメラを活用する施設が増えているようです。施設内をくまなくカメラで見守ることができれば、入所者の誰かが体勢を崩したとき、転ぶ前にサッと介護スタッフが駆けつけることができるので事故を未然に防ぐ機会が増えます。

しかしながら、安全性を過剰に重視するあまり、施設内のいたる場所にカメラを設置し24時間見られているという状態は、プライバシーの侵害に感じる入所者さんは多いのではないでしょうか。QOLを守るにはひとりの人間として尊重されることが重要で、そこにはプライバシーの保護も含まれます。入所者さん本人がプライバシーを侵されたと不快に感じるのであれば、QOLの低下につながりかねません。

以上のことから、安全な生活環境とプライバシーの尊重との両立は、とても重要な課題といえるでしょう。

 

ナースコールとセンサーの連携でさりげない見守りを実現

iStock-1333702917.jpg

高齢者のQOLを考える上で切り離せないのがADLです。ADLは「日常生活動作」とも呼ばれ、起床や着替え、トイレ、食事など、日々の生活を送るために最低限必要な動作のことです。これらの動作ができる・できないかが、要介護度の判断基準になります。通常、ADLが向上すればQOLも向上すると考えられていますが、ADLの程度が同じくらいであれば目指すQOLは同じかというとそうとは限りません。目標とするQOLについては介護される人の「自分らしい生活」を実現するために、本人の意思が反映されるべきだからです。

つまり、本人の希望とADLに寄りそった支援が大切なのです。例えば、自立心が強く自分から介助を依頼しづらい人やプライバシー意識の強い人には、さりげなく見守りながら適切なタイミングで適切な介助を提供することが望ましいでしょう。そこでナースコールシステム「Vi-nurse(ビーナース)」なら、他社システムと連携することでプライバシーに配慮したさりげないきめ細かな見守りが可能です。

従来のナースコールは患者や入所者の側からスタッフを呼び出すための設備でしたが、IoT技術により進化した「Vi-nurse」は規格が適合する他社のソリューションと連携し、スタッフ側からの安否確認や見守りができるようになりました。例えば、ソルクシーズ社の見守りセンサー「いまイルモ」との連携で、カメラを使わず対象者が見られていることを意識させずに見守りをします。

 

呼出スイッチもそれぞれのADLに合わせて使いやすく

また、「Vi-nurse」は入所者さんの使いやすさにも配慮しています。呼び出し用の装置として、小型で手に持ちやすい子機と握りボタンをご用意。握りボタンは押すだけでなく、握ることで呼び出しができます。この他にも、一人ひとりのADLの状態に合わせて、さまざまな呼び出し方法を選べるようになっています。

例えばワイヤレス対応の大型呼出ボタンの場合、手を動かすのがむずかしい方は肘で押したり、手は動かせないが足は動かせるという方には足で蹴って押せるよう、入所者さんの状態に合わせて電波が届く範囲内で押しやすい場所に設置できます。また、全身を動かすのがむずかしい方のためには、息を吹きかけたり、声を出すなどで呼び出せる特殊呼出スイッチをご用意しています。

さらに、「Vi-nurse」の呼出スイッチは、常夜灯機能で夜間でも位置がしっかりわかるようになっています。常夜灯はベッドごとに点灯させるかどうかを決めることができ、タイマー設定も可能です。このように、「Vi-nurse」は入所者さんが必要と感じたときに自身の身体機能で無理なく呼び出すことが可能なので、呼出スイッチを押したいのに押せないといったことや、押そうとして体勢を崩しベッドから落ちてしまうといった事故を防ぐことができます。入所者さんそれぞれの自分らしさに配慮しながら、ご本人の伝えたい気持ちに寄りそったサポートを実現します。

 

Vi-nurseは見守りカメラとの連携も可能

入所者さんのQOLを考えるうえで、見守りにはプライバシーへの配慮が大切ですが、認知症、特に周辺症状(BPSD)のある人は、事故につながるような予測のつかない行動をとることが少なくありません。また、BPSDは認知症の初期にあらわれることもあり、周囲がBPSDによる行動の変化に気づくことで、認知症の早期発見・早期治療につながることもあります。

このような場合、QOLを維持するためにも本人や周囲の安全確保と認知症の適切なケアが重要になります。そのためには、もう少し踏み込んだ見守りで本人の状態を詳しく観察・把握することが必要になるでしょう。一人ひとりの状態に合わせて見守りの仕方を変えていくことになりますが、その強い味方になるのが「Vi-nurse」です。見守り機能を拡張できる「Vi-nurse」ならカメラの見守りへの切り替えが可能で、入所者さんの状態に合わせたフレキシブルな見守りの設定にできます。

 

フレキシブルな見守り機能で自分らしい生活をサポート

介護施設で暮らす高齢者のQOLの維持・向上のためには、安全確保と同時にプライバシーへの配慮も欠かせません。これを両立させ、その人らしい生活を実現していくためには本人の状態に合わせ、フレキシブルに見守りの仕方と本人からの呼び出しの仕方を変えていくことが重要です。見守りカメラやセンサーとの連携など柔軟に機能拡張ができるナースコールシステムがそのお手伝いをいたします。

関連記事

  個人情報保護方針はこちらをご確認ください