介護業務改善
介護業務効率化と入居者のQOL向上を叶える。業務集約をスマホで実現!介護DXで押さえるべきポイント
慢性的な人手不足が続く介護業界ですが、利用者のQOL向上が介護施設の重要な目標であることに変わりありません。限られた人的リソースで、24時間の見守りやきめ細かい健康管理などを行うためには、IT導入による介護業務の効率化が必須です。しかしながら、これには課題も伴います。システムやソフトの導入の仕方によっては、かえってスタッフの負担が増えることがありえるのです。
介護DXということで、記録アプリや見守りセンサーなど複数のシステムやソフトを導入する施設は多いですが、異なる複数のシステムを導入することで、システム間で互換性がない、それぞれ操作方法が異なりわずらわしい、管理やメンテナンスが大変になることがあります。これらの課題を解決するには複数システムの集約が求められますが、その重要なカギとなるのが「スマホ」です。
例えば、スマートフォンひとつで、ナースコールや見守りなどのシステムの操作や管理が一括してできれば、業務効率は非常に高まります。これにより、スタッフはより多くの時間を直接的業務にあてることができ、サービスの質が向上し、利用者のQOL向上にもつながるでしょう。
このように、スマホを施設内の情報インフラのハブとして活用することで、複数のシステム運用に関する諸々の課題を一挙に解決でき、業務効率化を強力に進められるのです。こうしたスマホ活用の実現には、Wi-Fi環境の構築などいくつかの条件があるため、スムーズに導入する方法をご紹介いたします。
利用者のQOL向上のためにも業務効率化は必須だが、介護DXには落とし穴も?
介護施設で利用者のQOLを向上させるためには、きめ細かい健康管理・栄養管理、安全な環境、ADL向上に配慮した介助とリハビリテーションプログラムなどの提供が求められます。これらを提供するには、利用者一人ひとりの要望をくみとるための(家族を含めた)ていねいなコミュニケーションと24時間の見守りが必要です。
しかし、現実的には人材不足のため、記録業務などの間接的業務に多くの時間がかかっている、特に夜間の見守り・ナースコール対応がスタッフの大きな負担になっているなどの問題が生じています。業務効率化を進めることで、スタッフの業務負担を減らし、個々の利用者に寄り添ったケアに集中できる時間を増やすことが不可欠です。
そこで、業界全体でDX化による介護現場の業務効率化が進みつつあり、見守りカメラ/センサー、記録業務を支援する介護ソフト、ナースコール連携機器などさまざまなシステムを導入する施設が増加しています。
これらのICTソリューションは介護スタッフの業務負担を軽減する一方、複数のシステムを導入し運用することで、DX化の落とし穴ともいえる、新たな課題が発生することがあります。
複数システムの導入で業務プロセスが煩雑になる? システム集約の課題とは

見守り機器、介護支援ソフト、ナースコール連携機器といったICTソリューションなど、複数システムの導入が介護現場にもたらす課題は、“操作の煩雑さ”や“機器ごとの管理負担”だけにとどまりません。業務全体を見渡すと、より本質的かつ深刻な影響が介護スタッフにもおよんでいます。
1)情報分断による業務負担の増加
各システムの管理台帳や記録フォーマット、コミュニケーション手段がばらばらだと、スタッフ同士の情報共有がスムーズに行えず、申し送りミスや記録漏れなど、ヒューマンエラーが発生しやすくなります。また、膨大な情報を横断的に確認・活用できないまま、同じ内容の入力や転記作業に追われることもしばしば。結果として、本来注力すべき直接ケアや利用者との対話の時間が削られ、スタッフの業務過多とストレスが深刻化します。
2)スタッフが提供する介護の質の低下
分断されたシステム環境が続くと、スタッフは本質的なケアよりも間接業務に追われやすくなり、きめ細やかな見守りや要望への即応が難しくなります。例えば、ナースコールや介護記録、見守りなど複数の端末を使い分ける必要があることで、利用者対応のレスポンスや質が犠牲になりがちです。これが結果として、利用者満足度や安心感の低下、リスクの増大につながる場合もあります。
3)連携・互換性がないことによる業務の複雑化
システムどうしの連携・互換性がない場合、それぞれのシステムからデータを個別で確認しなくてはいけないため時間がかかり、業務プロセスがかえって複雑化します。たとえば、利用者のバイタル情報や夜間の見守り記録を統合して把握できない状況では、スタッフの情報逆引きや二重確認の負担が増えるだけでなく、緊急対応時の判断の遅れも誘発しかねません。
これらの課題が放置されると、システム導入本来の目的である「業務効率化」「人的リソースの最適化」「利用者QOL向上」が実現されず、さらなる作業負担を生む可能性もあります。したがって、複数のシステムを集約する際には「運用のしやすさ」や「連携機能」に注目するべきです。同時に、運用後のサポート体制やコスト感も重要な検討要素になります。
スマートフォンを活用した一元化の可能性
こうした課題を解決するカギとなり得るのがスマートフォンの導入です。スマートフォンを施設内の情報プラットフォームとして活用することで、各システムを統一し効率よく運用することが可能になります。例えば、さまざまな情報の見える化を実現したナースコール「Vi-nurse」と見守りセンサー、介護支援ソフトなどを集約して利用することで、利用者へのいきとどいたケアを効率よく実現できます。 *介護支援ソフトとの連携については、こちらの記事でもご紹介しています。
介護記録や申し送りなどの情報を一元管理!ムリ・ムダ・ムラ解消と電子化で業務効率化を計る方法とは?(CAREKARTE)
スマートフォン導入のメリット:包括的な業務効率化とサービス向上

スマートフォンを介護施設に導入することで、現場の業務効率が劇的に向上する可能性があります。特に、住友電設株式会社が提供する介護施設向けICTサービスは、スマートフォンを情報プラットフォームとして活用することで、従来のPHSではむずかしかった高度な連携機能を実現しています。
例えば、高機能ナースコールシステム「Vi-nurse」との連携により、緊急時にはスマートフォンに速やかに通知し、スタッフが迅速に対応できる体制を構築できます。さらに、見守りカメラやセンサーとも連携し、利用者の状況をリアルタイムで把握。異変があれば即座に対応できる環境が整います。
また、また、住友電設株式会社のソリューションを導入し、施設内の電話システムと連携した場合、モバイル内線端末として活用することが可能です。内線・外線の通話もスマホで一元管理でき、通信インフラの簡素化を実現します。
さらに、スマートフォンから介護記録の閲覧・登録が行えるようになれば、必要な利用者情報に即座にアクセスでき、サービスの質向上につながります。シフト共有機能を備えたアプリにより、スタッフ間の情報共有もスムーズになり、業務全体の連携力が高まります。
スマートフォンの導入は、単なる連絡手段の強化にとどまらず、介護業務のあらゆるプロセスを一つの端末に集約し、現場全体の効率化とサービスの質の向上を実現する、次世代のICTソリューションです。
スマホソリューション導入に必要なものとは? Wi-Fiシステムの構築とコスト対策
介護現場の業務効率化やコミュニケーションの円滑化を実現するうえで、スマートフォンの活用はますます重要になっています。導入を成功させるにはいくつかの条件をクリアする必要がありますが、現在ではそれらを解決するための確かなソリューションも整ってきています。
まず、スマートフォンの活用に不可欠なのが安定したWi-Fi環境です。介護施設では、家具の配置や水回り(トイレ・浴場など)の構造が電波に影響を及ぼすことがあります。これに対し、住友電設株式会社では導入前に現地調査(サイトサーベイ)を実施し、最適な無線アクセスポイント(AP)の設置場所を選定。安定した通信環境を構築します。
Wi-Fi構築後も、通信の品質を保つためにはエリアのカバー状況を確認し、細やかな調整が必要です。介護施設向けソリューションでは、データ通信と音声通話で周波数帯(BAND)を分離する設計を採用し、通話しながらの移動や動画などの大きなデータが流れていても、安定かつ通信遅延を最小限に抑える工夫がされています。
また、使用するスマートフォンの機種やOSの選定も導入時の重要なポイントです。動作検証済みの無線APと、iOSに対応したナースコール連携アプリ「SDPhoneシリーズ」を組み合わせることで、安定した運用を実現します。
操作面についても、導入をスムーズにする工夫がなされています。SDPhoneシリーズは、直感的に操作できるインターフェースを備えており、スマートフォンに不慣れなスタッフでも安心して使い始めることが可能です。個人のスマートフォンがAndroid端末のユーザでも違和感なく利用できる設計で、現場への定着が期待できます。
スマートフォン導入を成功に導くカギは、導入前の丁寧な準備と、コスト面の負担を軽減するために補助金などを賢く活用することにあります。しっかりとしたパートナーとともに、より安心で効率的な介護環境の実現を目指しましょう。
スマホを活用した介護DXの未来と注意点
介護現場の業務効率化と利用者のQOL向上を両立するために、DX化やスマートフォンの活用は今や欠かせない選択肢となっています。特に、情報共有や記録業務、見守りなど、複数のシステムをスマートフォンで一元管理することにより、スタッフの負担軽減やケアの質の向上が期待できます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、Wi-Fi環境の整備や適切な端末選定、運用のしやすさ、サポート体制の充実などが欠かせません。「導入すればすぐに全ての課題が解決する」「誰にでも簡単に使いこなせる」とは限りませんが、介護現場での業務集約をスマートフォンで実現することには大きなメリットがあります。適切なICTソリューションと信頼できるパートナーを選ぶことで、負担軽減とサービス向上の両立が可能な介護現場の実現が期待できるでしょう。


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