介護業務改善
インフルエンザなどの感染症対策! 介護施設の温度・湿度の管理の重要性とは?
この冬、東京都内では昨年よりもインフルエンザの感染者数が6週早く警報基準を上回り、インフルエンザの流行が拡大しています。
全国的に拡大傾向もみられ、厚生労働省は感染対策の継続を呼びかけています。抵抗力の弱い高齢者が集団で利用・生活する高齢者施設では、感染症は利用者の健康を脅かすだけでなく、施設運営そのものにとっても大きなリスクとなります。そのため、介護現場では日頃からの感染症対策が非常に重要です。手洗い、消毒、マスク着用などの基本的な対策に加え、施設内の環境を整えることが求められますが、人手不足の現場では介護スタッフの負担となることでしょう。感染症予防の対策には温度・湿度管理が含まれますが、これをセンサー見守りシステムにより自動化することが可能です。これにより、感染症対策に関する介護スタッフの負担を減らしながら、安否確認も含め効率よく環境管理を行えます。利用者のための健康的な環境づくりはQOLを支える基本です。高齢者施設を取り巻く感染症の動向と感染症対策の効率化についてお伝えします。
インフルエンザなどの感染症は高齢者施設にとって大きなリスク

今年は例年よりも早くインフルエンザが流行しはじめ、患者数が増加傾向にあります。同時に、新型コロナ感染症、感染性胃腸炎、マイコプラズマ肺炎などの流行もみられますが、これらは高齢者がかかりやすく重症化しやすい感染症です。そのため、高齢者施設では感染症対策の重要性があらためて認識されていることと思われます。
重症化リスクが高く、感染はQOL、ADLの低下につながることから、感染症は高齢者にとって大きなリスクですが、高齢者施設にとってもリスクといえるでしょう。抵抗力の弱い高齢者が集団で生活している施設では集団感染が起きやすいですし、利用者に感染者が出ると隔離などスタッフの業務負担が増えることになります。施設内で感染が広まると、介護スタッフも感染する可能性があります。スタッフが感染すると出勤停止や欠勤となり、人員不足により業務に支障をきたすこともあるでしょう。施設内の感染状況によっては、面会やアクティビティ、ひいては利用者の受け入れが制限されることも考えられます。そうなると、施設の運営そのものに影響し、サービス提供が制限されるようなことがあれば利用者のQOLに悪影響となります。以上のことから、高齢者施設では常に日常的な感染症対策が不可欠といえるのです。高齢者施設における平時の感染症対策では、「病原体を持ち込まない、持ち出さない、広げない」を目標に、手指衛生(手洗い)、個人防御(マスク、手袋などの着用)、共用物の消毒、こまめな清掃、換気が基本の対策となります。加えて、温度と湿度の管理も重要です。
高齢者ための感染症対策で温度・湿度管理が重要な理由

高齢者施設での感染症対策として温度・湿度管理が重要とされるのには、いくつか理由があります。
まず、高齢者は温度変化による体調の異変が起きやすく、寒い環境では感染症に対する抵抗力が低下してしまいます。また、他の対策として欠かせない換気によって室温が変わるのを防ぐことも必要です。次に、極端に乾燥した環境では、ウイルスや細菌が活性化するのに加え、のどや鼻の粘膜の病原体への防御機能が低下し、集団感染が起きやすくなります。一方、湿度が高すぎると呼吸器疾患の原因となるカビやダニの発生を促します。
このようなことから、温度と湿度を適切に保つことが求められますが、高齢者は温湿度の変化を感じにくいため、施設全体での管理が必要です。冬季の適切な温度・湿度の目安は、室温18〜22℃、湿度50〜60%になりますが、実際に温湿度計を置いて随時確認することが欠かせません。なるべく正確に温度・湿度を計るには、エアコンの風や直射日光が当たる場所、加湿器の近くは避け、床面から約1.1メートルの高さの位置に温湿度計を設置しましょう。
感染症対策としての温度・湿度管理は非常に重要ですが、慢性的な人手不足の介護現場では、各居室の温度湿度をスタッフが目視でチェックするのは煩雑なものです。しかし、こうした作業を効率よく行う方法があります。それは、センサーによる見守りシステムの導入です。
感染症対策のための環境整備をサポートする「いまイルモ」とは 導入のメリットは?
そこで、ご紹介したいのが、温度・湿度などに反応する複合センサーを備えた見守りシステム「いまイルモ」です。「いまイルモ」の施設向けシステムでは、複数のセンサー端末の一括集中管理が可能になります。例えば、「いまイルモ」のセンサー端末を利用者の居室に設置することで、すべての居室の温度・湿度の一元管理ができるようになります。全居室の一覧表示が可能で、ひと目で確認でき、特に夜間の少人数体制時のスタッフの負担を軽減します。


また、適切な温度・湿度の範囲を設定し、センサーが範囲を超えた値を検知するとウェブブラウザやメールでスタッフに通知することができるのに加え、冬場の感染症やヒートショック対策にも有効です。これにより、スタッフが直接、各居室の温度計・湿度計を目視して確認することが不要になり、業務の効率化につながります。さらに、人感センサーにより居室内で一定時間動きがないなどの確認もでき、特定の利用者を複数のスタッフで見守ることも可能です。

*こちらの記事も是非ご参照ください。
※高齢者施設の暖房設定温度はどれくらい? 寒さ対策は?
ナースコールシステム「Vi-nurse」との連動で感染症対策のための環境づくりをより効率的に


このように温度・湿度管理の自動化をバックアップする「いまイルモ」はナースコールシステム「Vi-nurse」との連動も可能です。この連動によって、「いまイルモ」の各センサーの通知を「Vi-nurse」で受け取り、例えば、設定した温度・湿度の範囲を超えたり、一定時間反応がない場合、「Vi-nurse」で内容を確認できるようになります。また、「Vi-nurse」と見守りカメラが連携していれば、温度・湿度のアラートを「いまイルモ」から通知を受け取り、利用者の居室の状況を映像で確認することも可能です。
感染症対策としての温度・湿度管理は熱中症対策にも通じます。「いまイルモ」と「Vi-nurse」の連動により、一年を通して利用者の健康を守るための安否確認と環境管理がより一層効率的に行え、感染症対策をより強力にサポートします。
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