排泄介助を最適化し現場の負担を軽減! 利用者のQOL/ADL向上させる方法をご紹介

2025年には団塊の世代が全員75歳以上となり、総人口のおよそ5分の1にあたる約2154万人が後期高齢者になります。医療・介護分野を中心に社会に大きな影響をもたらすとされてきた「2025年問題」が現実のものとなりつつあるのです。
すでに介護職員の数は減少に転じており、2025年には約37.7万人が不足すると予測されています。個々のスタッフのさらなる業務負担増が懸念されます。

なかでも排泄介助は業務負担の一つとして特に重くのしかかっており、もし業務効率化ができればスタッフの大きな負担軽減に繋がります。

そこでご紹介するのが「排泄ケアを支援する機器」です。超音波センサーで膀胱内をモニタリングすることで排尿を予測し、その人の傾向を分析してくれます。適切なタイミングでトイレに誘導できるようになり、スタッフが排泄介助をする回数の軽減に役立ちます。また利用者の排せつのタイミングと介助するタイミングを合わせることで、自立支援や利用者のQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)の向上にもつながり、生活への自信を取り戻すきっかけになるでしょう。

介護現場における排泄ケアの課題と、介護DXによる支援機器の導入による改善事例を具体的にご紹介します。

利用者、介護スタッフ双方への負担 介護施設での排泄ケアの課題

排泄は、生きていくために欠かせない行為でありながら非常にプライベートでデリケートなものです。どう排泄するかは日々の生活を大きく左右するため、高齢者介護において排泄ケアの重要度は特に高いといえます。また、一人ひとりの排泄のタイミングに合わせてサポートを提供するには、個別の排尿・排便日誌を活用して適切なケアプランを立てる必要があります。

一方、排泄ケアは介護スタッフに大きな負担がかかる業務で、慢性的な人手不足に陥り2025年問題が現実化するなか、個々の利用者の傾向やニーズに対応するのは容易ではありません。こうした状況が続けば、利用者と介護スタッフ双方にとってより深刻な問題が生じる可能性も考えられます。

では、排泄ケアにはどのような課題があるのでしょうか?

<利用者の負担>

排泄ケアは利用者の心身に負担を与えやすく、まずQOLへの影響が考えられます。高齢になってもできるだけ最小限の介助で自立して排泄したいと思う人は多いでしょう。介助される側にとって、排泄ケアは少なからず恥ずかしさや申し訳なさを感じるもので、自尊心が傷ついたりプライバシーが侵害されるような感覚になる人もいます。排泄を失敗したり失禁したりするとさらにストレスが大きくなり、こうしたことを繰り返すうちに利用者のQOLは低下していくでしょう。そのため排泄をサポートする際には、利用者の精神的な負担を和らげながら適切なケアを提供する必要があります。

また、排泄は利用者のADLにも深く関わります。なるべく人の手を借りずに排泄しようとすることはADLの維持・向上を促し、自立支援にもつながります。過度な排泄介助を控えることも大切でしょう

<介護スタッフの負担>

個々の利用者のQOLやADLへの配慮が求められる排泄ケアは、介護スタッフにとって心身ともに負担の大きな業務です。人手不足が常態化し、問題がさらに深刻化している介護現場も多いのではないでしょうか。

例えば、尿意を訴えられてトイレに誘導しても「空振り」が多かったり、介助のタイミングが遅れて汚れものが増え、その処理に追われるといったことが何度もあるとスタッフは疲弊してしまいます。加えて、排泄介助が遅れると「トイレに失敗した」というストレスを与え、清掃や着替えが滞ると皮膚のかぶれや感染症のリスクが高まるなど、利用者の心身への負担、衛生環境の悪化にもつながります。

こうした悪循環を断ち切るには排泄ケアの効率化を図り、スタッフの負担を軽減することが必要でしょう。そのためには、個々の利用者のトイレ介助やおむつ交換のタイミングを把握することがカギになりますが、その見きわめはむずかしいものです。

こうした課題を改善するための第一歩として重要なのが、利用者一人ひとりの排尿傾向を知ることです。その上で、日常的なコミュニケーションを通して利用者の意向をくみ取り、信頼関係を築くことができれば、施設での排泄介助の質が向上し、利用者のQOLやADLの改善につながるのではないでしょうか。

排泄ケアの課題解決につながる「DFree」とは

そこでご紹介したいのが、膀胱を見える化し排尿を予測する世界初のセンサー機器「DFree」です。腹部に装着した超音波センサー機器が膀胱内の尿の量を常時モニタリングし、排泄ケアのタイミングを介護スタッフのスマホに通知するといったもので、モニタリングデータは排尿傾向分析レポートとして可視化されます。

常時モニタリングといってもセンサーをいつまでも装着し続ける必要はなく、一定期間装着してデータを得られれば、排尿傾向を把握できます。いったん排尿傾向がわかれば適切なタイミングでのトイレ誘導やおむつ交換が可能になり、排泄ケアの効率化や自立支援、QOLの向上につながります。

「DFree」導入のメリットは? 導入事例を紹介

「DFree」を導入すれば、排尿傾向の分析をもとにトイレ誘導のタイミングを利用者ごとに調整できるようになります。その結果としてトイレの失敗や尿もれ、空振りが減り、汚れものも少なくなり、スタッフの負担を大幅に軽減できるでしょう。また排泄の成功率が上がれば利用者の自立への意欲が高まり、QOLやADLの向上も期待できます。

ここで、実際の導入事例を紹介しましょう。

事例①:地域密着型特別養護老人ホーム/80代の女性利用者の事例

「トイレ」を頻回に訴えるものの、それが口癖でもあるためトイレ誘導のタイミングがむずかしく、空振りや尿もれが多いことで介護負担が大きくなっていました。約2週間「DFree」を装着して排尿傾向を分析し、その結果に基づいて定時のトイレ誘導時間を調整したところ、トイレでの成功率が82%までアップし、尿もれも大幅に減り、排泄の自立度が向上してスタッフの負担が軽減されました。

事例②:特別養護老人ホーム/80代の男性利用者の事例

夜間の定時おむつ交換で空振りや横もれがあり、尿汚染による着替えに時間が取られるなど、夜間の少人数体制における介護スタッフの負担が大きくなっていました。9日間「DFree」を装着して得られたデータから排尿傾向を分析し、定時のおむつ交換の時間を調整したところ、着替えとおむつ交換の回数が減りました。ケアにかかる時間も短縮され、夜間の介護負担が軽減できました。

ナースコールシステム「Vi-nurse」との連携により排泄ケアの最適化を実現

「DFree」は、「Vi-nurse」と連携させることで排泄ケアの最適化をより強力にバックアップします。「DFree」が警報を発信すると、見守りカメラが捉えた利用者の状況をスマホで確認できるようになり、よりタイムリーで適切な排泄介助が可能になります。

このようにDX化によって排泄ケアの最適化を実現できれば、介護サービスの質向上、利用者のQOL/ADLの向上にもつながるでしょう。この機会に、ぜひ「DFree」と「Vi-nurse」の連携をご検討ください。

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