双方にメリット!高齢者と子どもの世代間交流を介護施設で!

ひと昔前までは地域の子どもは地域ぐるみで面倒をみて、高齢者の方々も近所の子どもを自分の孫のようにかわいがっていたという時代がありました。ところが、現代は近所付き合いが希薄になり、なかには高齢者と触れ合ったことがないという子どもも普通に見られるようになりました。親の帰りが遅く、夜まで一人で過ごす子どもたちを、介護施設の高齢者たちが面倒をみるということが今話題となっています。双方にメリットのあるこの取り組み、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

介護施設に子ども食堂

介護施設に子どもがいると違和感がありますか? 実は、介護施設に子どもが出入りする食堂があるのです。

「子ども食堂」とは?

子ども食堂とは、家庭の事情により、両親と一緒に食事をとることができない子どものために開かれている食堂で、無料~数百円で手作りのご飯を食べることができます。基本的に対象者は子どもとなりますが、お金を払うことで大人も料理を食べることができます。対象者は片親のみ、大人もOKなど制限を設けているところもあるようです。

岩手県の介護施設が子ども食堂に!

岩手県の高齢者通所介護施設には、この子ども食堂を開いたところがあります。高齢者と子どもたちが一緒に食卓を囲めるスタイルとなっています。子どもは普段食べないものでも喜んで食べ、高齢者側も子どもの前では残さずに完食するそうです。食後も高齢者とコミュニケーションをとることができ、双方が食事を通して世代間の交流ができると好評です。

高齢者と子どもが過ごせるデイサービス

次にご紹介するのは、介護施設にある子どもが一緒に過ごすデイサービスです。

香川県にある小規模多機能型居宅介護施設では、放課後の小学生の居場所として、児童クラブにあたる施設「きっずデイ」を開所しています。毎日小学生が放課後にきて、おやつを食べて勉強をすませると、高齢者と一緒にテレビを見たり遊んだりして過ごします。高齢者は、子どもに昔の遊びを教えてあげたり、一緒に家事をしたりすることを楽しみます。子どもたちには高齢者を労わるという思いやりの心が芽生え、高齢者も子どもの面倒をみることに生きがいを感じるようになります。普段はなかなか交わる機会のない子どもと高齢者も、デイサービスで一緒に過ごすと双方に活力や思いやりの心が生まれるようです。

子どもと触れ合うことがポイント!その理由とは?

高齢者と子どもの世代間交流についてはさまざまな研究がなされていますが、特に注目したいのは介護施設の高齢者の子どもとの触れ合いです。

子どもとの交流がよい刺激に

高齢者のなかには、自分の子や孫など小さい子どもと関わった経験があり、そもそも子どもが好きという人もいますが、その一方で、小さい子どもと関わった経験がないという高齢者もたくさんいます。

そんな高齢者にとって、子どもと関わることはよい刺激となり、精神的な活性化につながります。

自分に役割ができる

要介護状態となると、自分はやってもらってばかりで人の役に立っていないと悲観的になる高齢者が少なくありません。しかし、子どもと交流することで、子どもに昔の遊びや高齢者ならではの知識を伝える機会ができます。役割ができると、いきいきと生活していくということに結びつきやすいようです。

高齢者と子どもの交流で高齢者に活力を!

そのほか、現在では介護施設と保育施設を隣同士にして、いつでも高齢者と子どもが交流できるような環境を整えたケースもあります。子どもの元気な声は高齢者にも活力を与えるもの。この取り組みが広がり、もう一度古き良き日本の高齢者と子どもの活発な交流が見られるとよいですね。

参考:

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