インタビュー001 アズパートナーズ様EGAO linkで業務改革

ICT×介護の最先端 株式会社アズパートナーズ様 介護業界に変革をもたらした独自のシステム『EGAO link』に迫る

 株式会社アズパートナーズ
 取締役 山本皇自 様

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株式会社アズパートナーズさんは「あらゆる方々の良きパートナーとして」をコンセプトに介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)・居宅介護支援の介護サービスを提供しておられます。今回はその中で介護現場に大きな変革をもたらしたシステム『EGAO link』について株式会社アズパートナーズ  取締役の 山本皇自様にお伺いしました。 

EGAO linkとは

 ―EGAO linkについてご説明ください。

山本様:昨今、少子高齢化に伴い人手不足がさけばれていますが、介護業界においては特にそれが深刻化しています。そこで弊社では大きく二つの目的のもとで、IT化の取り組みを行っています。まず一つは生産性の向上より少ない人数でサービスを提供することです。そしてもう一つは介護業界に若い人たちから目を向けてもらう、魅力的に見てもらうということで、このEGAO linkというものを導入しています。このEGAO linkは、先ほどお伝えした生産性の向上を目的とし、本来やるべき仕事に注力できるようにと開発を進めました。ケアスタッフの本来の役割は、お客様に直接サービスを提供することです。ところが現実は間接業務、特に記録類に時間を取られてしまい、スタッフのモチベーションが下がる一方でした。それをどう解決していくかというのを発想点として、現場の意見を聞いたうえで何が最適なのかを試行錯誤しながら仕組みづくりを行いました。

システムについては、アイホンさんをはじめ、業界大手と協力して開発。最大の特徴は、スマホ一台でお客様の状態を管理できるということで、開発当時は業界初といわれていました。既にパッケージ化されたものはありましたが、最適な形で組み合わせたという意味で、私たちがリードしていました。
そして「眠りSCAN」と「CAREKARTE」の二つの機能が業務の負担軽減に寄与。前者は、眠りの状況を毎時間見て取れるもので、夜間帯に定期訪問が不要になりました。後者の介護カルテシステムは、これまで使用していた手書きのカルテに変わり、スマホで誰でもいつでも入力できるようになりました。これにより記入時間も圧縮され、記載内容も充実するようになりました。

さらにアイホンの「Vi-nurse」が連動。例えば「眠りSCAN」では「起き上がったらナースコールがなる」など様々なパターンのアラート設定が可能です。また、正確かつスピーディにワンストップで記録に反映されます。

EGAO linkの構築には、1年~1年半の期間を要しました。相当数他社とも比較。最適なツールを選定して組み合わせていきました。やはり、投資金額としても大きいですし、入所者さまにとって、価値あるシステムでなければなりません。私たちの目的を達成できるのかどうかを見極めるのに時間をかけて検討を重ねました。

やはり、本部サイドが主導で一方的に導入しても、現場が使わなかったら単なる宝の持ち腐れとなります。他社さんの例ですが、本部主導で導入したものの、全く機能不全に陥っているという話しも聞きます。ですから、現場サイドに何が必要かじっくり話し合い、ヒアリングを重ねていきました。 また、当社ではEGAO linkのサポートチームを結成しています。導入後1~2週間かけて導入サポートや操作方法を説明したり、不具合があった際に対応できるスタッフを張り付きで用意しています。一人ひとりにレクチャーしていくと同時に、各ホームのキーマンに指導。そのキーマンが現場で展開していただくよう促しています。

EGAO linkの仕組み

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収益の改善という価値を提供

―EGAO linkは、施設の管理者、現場スタッフ、およびご利用者の視点それぞれにどのような価値を提供しているのでしょうか。

山本様:まず管理者には、収益の改善という価値を提供しています。EGAO link基準で人員を2人減らすことができ、企業のバリューアップにつなげることができました。また、現場の状況を本社の人間がデータとして見れるようになったのも大きいですし、役にたっています。現場には業務負担の軽減という価値を提供しています。夜間帯の巡視がなくなったので、ストレス軽減につながり、残業も減って休憩時間もきっちり確保できるようになりました。
残業も減り、生活リズムも守られているのは大きいでしょう。現場スタッフが、介護業界に入って実感する一番のやりがいは、個別にお客様とコミュニケーションをとれる点にありますが、これまではそれが満足にできていませんでした。しかしEGAO linkがそれを可能としました。時間個別のケアをシフト化することが可能となり、お客様とスタッフがゆっくり話せる時間が取れるようになりました。お客様にとっても、記録のクオリティがあがり確認することができるので、ご家族には色々なことの根拠としてお見せでき、安心を提供しています。今までは手書きの記録で、しかもまとまっておらず、ご家族にお見せすることもできませんでしたが、正確なものを開示することができるようになりました。

例えば、「眠りSCAN」のデータを見れば、ご家族が「うちの母は寝ているといっているがどうなんだ」と言っているときにデータを見せることができ、お医者さんとも共有しています。現在、薬データをカルテにいれることを進めています。この薬を飲んだらこのような状態になるということを記録することで、ポリファーマーシーを防ぐことが可能。お客様のQOLの改善に繋がっていると思っています。

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アズパートナーズ様 EGAO link HPより引用

―EGAO linkが現場スタッフの離職率軽減にも繋がっているようですね。

山本様:そうですね。弊社正社員の離職率は明らかに下がっています。パートさんには、EGAO linkとは別枠で生産性の向上のために分業制を敷いております。いままではケアマネジャーがやっていたリネン交換や食事の配膳、選択掃除などは65歳以上がメインのサービススタッフさんにやっていただています。さらに分業制を敷いて、生産性の向上を高めています。
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やるからには本気で取り組む

―御社のように課題解決にまでしっかり踏み込んでいる企業はそれほど多くないと思いますが、どうしてそれが可能なのでしょうか。

山本様:やるかやらないかは本気度の違いだと思います。恐らく変化を恐れたり、現場を気にしすぎるなどの障壁によって経営者がためらうのだとおもいますが、それが一番ダメ。何のためにやるのかを、現場の人たちに伝え、理解してもらうように本気で取り組めば絶対に実現できます。あとは、人、モノ、カネの先行投資も必要ですから、そこは企業がどう判断するかでしょう。実はEGAO linkというシステムは他社にも外販しています。私はその責任者でもあり、毎月1セットはご契約をいただいている状況です。

ご案内の際には、単に生産性の向上をアピールするだけでなく、まずは施設が抱えている課題をヒアリングして、それが解決できるツールとしてEGAO linkをご紹介しています。生産性を向上させて、顧客に対するサービスに特化させたいというのが私たちの考えですが、従業員の負担を減らして楽にさせるために活用したいという施設もあって。その両方をカバーしているという特徴があります。さらに、導入後のサポートが充実していることも、しっかりアピールこういうシステムというのは、導入した後の運用が結構大変だったりもするので、弊社サービスの優位性がご理解いただけるはずです。

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―どうして、この業界はICT化が遅れているのでしょうか。

山本様:やはり人が人を介護する、心優しいスタッフが介護するというのが魅力であり、そこに機械を入れると無機質な介護になってしまうからという勝手な偏見があったため、中々進まなかったのだと思います。事実、私たちもベテランスタッフに、「機械ばかり入れて、人としての温かみがなくなった」と言われることもあります。そういう思い込みが蔓延していたんでしょうね。私たちは「逆に、人に対する時間がさけるようになるのだよ」というのを伝えていかなければなりません。効率化というと、数字ばかりを意識してしまい、現場の反発もあって、ICTを導入したいといっても実行できない経営者も多く、本気度が足りないのも加味して進められなかったんでしょうね。

導入当初はもちろん大変で、「紙のほうが楽よ!」という従業員の声も多かったですが、それが1~2週間もすると一変し、そういったネガティブな声はなくなってきます。スタッフに「EGAO linkが導入されているホームと、そうでないホームのどちらにいきたい?」とアンケートを取ると、実に90%の人が「導入しているホームに行きたい」と答えています。

残りの1割はお察しの通り、「紙のほうがいい!」と答えるベテランの人ですね。

 

現場のスタッフ ベテランと若手

―ネガティブに捉えている人たちには、どのように理解してもらい、壁を乗り越えていったのでしょうか。

山本様:とにかく、現場の人間は変化を嫌います。「現状維持がいい」というのが一番の壁ですね。そこを乗り越えることができたのは、やはりサポートチームの力が大きいですね。現在のチームメンバーは現場のチーフを経験した者もいて、その方たちが本社側のサポートメンバーとして、伝えることができたのは大きかったと思います。導入までのスケジュールを組んで、そこにサポートチームをつけることを全体ミーティングの場で伝えたうえで動けたことにより、新しいことに取り組む際に起こりがちな荒波を鎮めることができたと思います。

利便性を実感しやすいシステムなのですよ。夜間は基本、座っているだけでいいので、それはかなり大きな変化だと思います。ベテランの人は心配だからと、しばらくのうちは見に行くのですが、そのうち“ちゃんと正確なものなんだ”と理解した時点で行かなくなりますね。逆に新卒の社員は入社した時からEGAO linkが導入されていて、この状況しか知らないので、“楽で当然”と思うなど、別の課題も出てきています。もちろん、これだけが理由ではないのですが、この前転職して、このシステムの便利さを実感し戻ってきた社員もいました。

 

―介護業界に若い人たちから目を向けてもらう、魅力的に見てもらうというお話がありましたが、それはスマホ対応のシステムに対する親和性があるからということでしょうか。

山本様:それもありますが、やはり介護を通してお客様に時間を割くことができるのだという点に敏感に反応してきます。これは自慢になりますが、弊社のような規模でも毎年、新卒が100人ほど入社しています。私も最終面接に出ていますが、EGAO linkに対する期待の声は大きいです。業界の中でもウチの規模で100人というのはなかなかありませんが、EGAO linkは一つの大きな要因となっていると思います。

 

―ベテランのスタッフたちの心理的抵抗が解除されるまで、どのくらいの時間を要しましたか。

山本様:おおよそ2週間です。他社でもサポートチームが入れば、同じくらいの期間で浸透しています。1週間コース、2週間コースとあるのですが、大体2週間コース選ぶ方が多いです。結局、システムだけでなく、お仕事を理解している人が2週間張り付くので皆さん納得されますし強いのですね。今後は、導入いただいた他社さんにもアンケートとってみようと思っています。うまく使われておらず、敬遠されてしまえば、EGAO linkの価値が下がってしまうので、導入してくださった方々へのサポートを強化していく必要もあると思っております。

 

システム内におけるナースコールの役割

―今回の仕組みの中のアイホン「Vi-nurse」が、どういった役割をしていて、設計思想の中でもどういった立ち位置にあるのか教えてください。

山本様:まずナースコールでお役に立っているということは大前提としてありますが、双方向受信、要はこのデータがこちらにいく、Vi-nurseで受けたデータがカルテにいくというののは、他社では対応できていないという風に聞いています。またVi-nurseはカメラの設置ができるのも便利だと思います。プライバシーの観点から、現在はカメラを推してはいないですが、ゆくゆく必要になってくると思います。やはり眠りSCANだけでは状況がわからないので、カメラで細かな状況が確認できるのはもちろん、事故があったときのエビデンスとして使えるので、よく「カメラはつけることができないのですか?」と聞かれます。 

弊社のホームのコンセプトとして、「家」という概念があるため、「家の部屋にカメラがあるか?」という話になり、現場からの要望はあるものの、今はやめておこうという話になっています。とにかくVi-nurseは、色々なものをつなぎあわせるプラットフォームとしての役割を持っていることは確かです。

 

―まだICT化を躊躇している事業者の方々にご助言をお願いいたします。

山本様:まずは、とにかく課題を整理することが大事だと思っています。その課題に対してICTが活用できるかどうかというのが重要になってくるのではないでしょうか。いきなり「EGAO link」のフルセットを導入するのではなく、それぞれの課題にあったものから入れていって良いと思います。そのうえで進化できるよう準備するためには、まずすべてのハブ機能であるナースコールVi-nurseは必要になってくると思いますね。

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この先の未来にむけて

―EGAO linkの未来、そして御社自体の未来像を教えてください。

山本様:私たちは、健康寿命を高くしていきたいと思っているので、この機能を医療機関と連携させることが重要であると思っています。よって、薬局さんと連携が取れるようになってきた今、これまでは睡眠の状態しか共有できていなかった医療機関に対し「この方はこんな薬を飲んでいるんだ、ではこの薬に変えようか」という判断につながれば、入院リスクを回避することもできます。お客様が入院すると、我々も介護報酬が手に入らなくなるので、そのリスクも回避でき、収益の改善にもつながれば人件費UPにも繋がるというよい回転が生まれていくと思います。私たちは、この会社をとにかく働きやすく魅力的な場所にしていきたいと思っています。そのためには経営力があがるよう、業務効率、生産性向上が重要で、このシステムを導入することでそのベースができあがります。

 ICTを導入することで、先ほどお話しした新卒採用の例からわかるように、これまで介護に興味がなかった人たちが目を向けてくれるようになるかなと思っています。2040年には生産人口の5人に1人は介護業界に携わってないと成り立たないといわれています。今のままでは到底無理ですから、魅力的な業界にするために各社さんが改革するべきでしょうし、そのひとつのきっかけとして、このEGAO linkを進化させていかなければならないと思っています。私たちも他社に営業をかけて、EGAO linkを導入させることで、様々な数字データを積み重ね、ビックデータ化できれば、システム自体の改善や新たな機能を企画、実装できるようになります。

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