介護スタッフの天敵、腰痛撲滅大作戦!

介護スタッフの職業病、腰痛。移乗介助時などの日常のサービスで気をつけていても、ついつい腰を痛めてしまうことは日常茶飯事ですね。欧米では「ノーリフト」という、人力ではなく、必ず福祉器具を使用する移乗介助の技術、コンセプトが徹底されているくらいです。今回はそんな介護スタッフの天敵、腰痛を予防すべく最新情報をご紹介しましょう!

なぜ介護スタッフは腰痛になるの?

例えば、介護施設の場合、利用者の9割はベッドから車椅子に移乗する際に介助が必要とされています。食事の際、トイレや入浴の際など、ひとりの介護スタッフが1日に行わなくてはならない移乗作業はかなりの回数になります。また、それ以外にも排泄介助の際のオムツ交換などを夜勤でこなす場合、平均20名程度×数回のご利用者の交換作業をこなさなくてはならず、ベッドに中腰で向き合っての排泄介助などはかなり腰に負担をかける作業になります。これでは介護スタッフの腰が悲鳴をあげるわけですね。

もっと「ボディメカニクス」を活用しよう!

このように、介護では1日中腰に負荷をかけることになります。そこで、介護スタッフが腰痛にならないために大切にしたい知識のひとつが「ボディメカニクス」の活用なのです。

ボディメカニクスについて簡単におさらいしましょう。ボディメカニクスとは、骨格や筋肉、内臓などを中心とした身体の動きのメカニズム(身体力学)をいいます。このボディメカニクスは介護スタッフになる研修のときにも必ず学ぶものですが、現場ではついつい忘れがち。忙しい最前線の現場での腰痛予防のためにも、もう一度テキストなどを開いてみて、その動作を復習しておきましょう。

ちなみに下記がボディメカニクス8原則です。

  1. 支持基底面積を広くする
  2. 重心の位置を低くする
  3. 重心の移動をスムーズにする
  4. 重心を近づける
  5. てこの原理を使う
  6. ご利用者の体を小さくまとめる
  7. 大きな筋群を使う
  8. 広い空間で効率よく行う

利用者と接して体位変換や移乗などの介助をする際はこのような姿勢を実践したいものです。

「ぎっくり腰」になる前に、予防のためのストレッチも大切

「腰をやってしまった!」となる前に、もう一点大切なのがストレッチ、つまり準備運動です。仕事を始める前に、あるいは就業時間内に作業の合間に行うことができるストレッチをご紹介しましょう。

例えば、机を使ってのストレッチは誰にでもすぐにできるでしょう。机に右手をついて、左手で左足をつかみ、後ろに折るように持ち上げると左太もも前側のストレッチになります(右太ももの場合は逆)。また両手を壁や机につき、かかとを地面につけて、膝を伸ばした状態で前方に倒れるようにして20~30秒ほど両脚を伸ばすとふくらはぎのストレッチになります。

また、腹筋と背筋のバランスを整えておくことも大切です。自宅で気軽にできるチューブトレーニングやバランスボールを試してみてはいかがでしょう。体幹力アップにつながるそうですよ。

新人さんは特にご注意! 腰痛にならない秘訣は?

例えば、作業として一番多いベッド上での排泄介助の場合、最も大切なことはベッドをできるだけ高くして自分の腰が無理なく可動する状態をつくることです。まだ仕事に慣れない新人の介護スタッフなどは、ついつい時間に追われ、焦って低いままのベッドで腰に負担をかけて作業をしてしまうことがありますが、これは絶対NG。例えば160cmの背丈の介護スタッフであれば、ベッドの高さを55~60cm程度まで上げてしまいましょう。また、腰に違和感を覚えたら、無理せずに、すぐに予防策として腰コルセットの装着をしましょう。不足している筋肉の代わりになり、腰を保護してくれます。

介護スタッフの職業病といわれ、一度痛めてしまうとなかなか完治しない腰痛。日ごろからボディメカニクスの活用やストレッチを心がけてください。自分自身のフィジカル・メンテナンスを怠らないことも、介護のプロフェッショナルとしての大切な意識ですよ。

 

参考:

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