介護食品に新しいネーミング、「スマイルケア食」

「スマイルケア食」をご存知ですか?

農林水産省では、ますますニーズが拡大する介護食品市場の活性化を図るとともに、健康寿命の延伸の推進をアピールし、消費者により親しみやすく接してもらうことを目的に、「介護食品」のネーミングを「スマイルケア食」として新しい枠組みを整備、普及を図ることとしました。

今回は、新しいマーチャンダイジングの試みである「スマイルケア食」について詳しく見ていきましょう。

データで読み解く「スマイルケア食」が生まれた時代背景

日本では団塊の世代が65歳を迎え、2023年には65歳の高齢者が3人に1人となる超高齢者社会が到来します。国立長寿医療センターの2012年のデータによれば、在宅療養患者である高齢者のうち、約3割が噛むことに、約5割が飲み込むことに問題を抱えています。そして、72.7%が低栄養あるいは低栄養のおそれがあるとのデータも公表されています。つまり、噛めない、飲めない在宅療養高齢者が増加しており、摂食における栄養状態が心配されているのが現状といえます。

このような状況において、要介護認定者の高齢者たちが介護保険上の一日の基準費用額である1,380円(2017年現在)を、介護用の食品、つまりスマイルケア食購入に充てるとすると、市場規模は年間約3兆円(農林水産省試算)になるといわれています。しかも、2014年の厚生労働省「介護保険事業状況報告(年報)」から算出されたデータによれば、75歳以上高齢者人口のうち要介護認定者は約23.5%とのこと。要介護認定者ではなくても摂食に多少の支障を感じている高齢者が存在する可能性を考えると、潜在的なニーズはかなり大きいと推察されます。

スマイルケア食で介護食品のイメージ一新!

それではなぜ、スマイルケア食の登場が画期的なのでしょうか? これまでの介護食品は、パッケージなどの表記がまちまちで、どのようなものを選んでいいかわかりにくいという難点がありました。

そこでスマイルケア食では、食べる人の摂食能力別に青、黄、赤の表示をすることによって、介護食品がよりわかりやすく、より買いやすくなる工夫がなされています。

まず、スマイルケア食「青」マークの表示食品は、噛むこと・飲みこむことに問題はないものの、健康維持上栄養補給を必要とする人向けの食品。

スマイルケア食「黄」マークの表示は、噛むことに問題がある人向けの食品です。黄マーク食品はさらに分類されており、「かまなくてよい」「舌でつぶせる」など4段階のレベル表示があります。

スマイルケア食「赤」マークの表示の食品は、飲みこむことに問題がある人向けの食品です。赤マークも、おかゆ状のもの、プリンやムース状のもの、ゼリー状のものというように3段階に分けられています。スマイルケア食がコンビニでも気軽に買える時代はもうすぐ?

スマイルケア食の市販品は現在、ドラッグストアや介護用品ショップ、ごく一部のスーパーマーケットなどが取り扱っています。また、スマイルケア食メーカーのウェブサイトや健康関連のポータルサイトなどからオンラインで購入することができます。しかし、現時点では「スマイルケア食」はまだまだ認知度も低く、全国の大手スーパーマーケットなどに常時並んでいるレベルまでは普及していないのが実情です。今後の高齢者人口の急増を考えると、そう遠くない将来には、訪問介護のヘルパーが買い物代行時にコンビニなどで手軽に入手できたり、家族が日常の食料品の買い物ついでに手に取れたりする状況になることが望まれます。そのためには、青、黄、赤のパッケージ表示の意味が浸透し、スマイルケア食の種類も拡充して、よりポピュラーな存在になっていくことが期待されます。

参考:

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