関係者全員のメリットに!マニュアルは定期的に見直そう

業務マニュアルを用意している施設は多いと思います。しかし、作成してから時間が経っており、マニュアルの内容が現状の業務の流れに合わなくなってはいないでしょうか。

実は、マニュアルの内容を定期的に更新すると、介護スタッフだけでなく利用者や経営者にも大きなメリットがあるのです。

定期的なマニュアル見直しによるメリット

マニュアルを定期的に更新すると、スタッフはそのたびにマニュアルの存在を意識するようになり、マニュアルに反した行動の予防につながります。そして、次のようなメリットがもたらされるでしょう。

スタッフがお互いに協力しやすくなる

スタッフがマニュアルに沿って業務を進めるようになると、個々の行動が統一され、お互いに協力しやすくなります。「協力してほしい」と感じる作業は、ほかのスタッフも同じように考えている可能性が高いからです、

利用者の満足度が高まる

マニュアルがないと、介護方法がスタッフによって変わる可能性があります。各スタッフがバラバラの対応をしていては、利用者は混乱してしまうでしょう。介護スタッフが変わっても同じケアを受けられるようにすることで、利用者の安心感や満足感の向上につながります。

新人や中途採用のスタッフが定着しやすくなる

マニュアルは新人スタッフの育成のためにも重要です。教育の方法や内容が統一されていないと、指示どおりに行動したにも関わらず、別のスタッフから注意を受けることにもなりかねません。そうなると新人スタッフは混乱し、不満を募らせてしまうでしょう。そして、最悪の場合は退職にもつながってしまいます。

また、中途採用で入ったスタッフは、マニュアルがなければ以前の職場でのやり方で介護をすることになるでしょう。それが原因でほかのスタッフとの間で摩擦が起きてしまっては、職場の環境が悪化してしまいます。

定期的にマニュアルを見直すことで一貫性を持った教育が可能になり、新人や中途採用のスタッフが安心して働けるようになります。そうなれば離職率の低下が期待でき、経営者にとってのメリットとなるのです。

古くなったマニュアルは一新しよう

作られてからかなりの時間が経ち、現在の業務に即していないマニュアルは、破棄して新たに作り直すのがおすすめです。

管理職がたたき台を作る

新しいマニュアルを作る際は、スタートの段階から現場に任せたいところですが、担当者と考え方が合わないスタッフから不満が出る可能性があります。そのため、最初のたたき台は中立的な立場で判断できる管理職が作るようにしましょう。

マニュアルに盛り込むべき内容は

マニュアルに盛り込む内容として何より大切なのは、タイムスケジュールです。細かく作りすぎるとわかりにくくなる可能性があるため、新人スタッフが見ても把握できるように、大まかな流れを記載しましょう。

さらに、利用者一人ひとりの対応マニュアルも作りたいところです。対応が難しい利用者がいたとしても、マニュアルの用意があれば、新人スタッフでも安心してケアを担当することができます。熟練スタッフにとっても、上手な対応方法を共有できるのは大きなメリットになるでしょう。

マニュアルの見直しをスタッフに定着させる

マニュアルが完成したところで満足してはいけません。定期的な見直しを重ねて、最新の業務状況に適した内容を維持することが大切です。利用者の入れ替わりや業務の変化に応じて、月に1回は見直すことをおすすめします。

マニュアルは、スタッフ全員に関わるものです。そのため、更新作業はマニュアルに沿って仕事をしている現場スタッフの持ち回りにするといいでしょう。そうすることで、スタッフにマニュアルの理解と浸透を促せます。

見直しの具体的な流れとしては、まず当番のスタッフに現状の業務の流れを書面にして提出してもらいます。後日それを全スタッフに配布して、内容を確認してもらいます。そして、項目の追加や削除の希望が出た場合は、ミーティングを開いて検討してください。

マニュアルの更新は、人によっては負担に感じる作業です。そのため、何度もミーティングを開かなくていいような仕組みにしておくと、更新作業が定着しやすいでしょう。

定期的なマニュアルの見直しでよりよい施設に

マニュアルの定期的な見直しは業務の統一化につながります。それは介護スタッフの働きやすさや、離職率の低下による運営面の安定、利用者のサービスに対する満足度の向上に大きく貢献するでしょう。もし、自施設がマニュアルを活用できていないようであれば、この機会に作り直して定期的に更新してみてはいかがでしょうか。

 

参考:

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