高齢化がすすむ街のお助けマン「生活支援コーディネーター」

「生活支援コーディネーター」というという仕事をご存じでしょうか。2015年の介護保険制度の改正において、多職種が地域において積極的に連携していこうという、包括ケアシステムの制度構築において推進強化策のひとつとして生まれた職種です。2018年4月までに配置が義務付けられ、別名「地域支え合い推進員」と呼ばれています。

生活支援コーディネーターが生まれた背景には、介護保険財政の軽減方針もあります。支援や介護を必要としない高齢者の健康寿命を伸ばしていくための生活支援サービスを、行政主導から地域、住民主体にするために「人と人をつなげてくれる世話焼きの近所のおじちゃん、おばちゃん役」が必要であることからも生まれました。

今回は、制度改正から3年目の本格実施時期を迎えた「生活支援コーディネーター」の役割や活動事例をまとめました。

どんな人が生活支援コーディネーターになっている?

生活支援コーディネーターは、機能別に3段階の層に分けられています。

第1層は、市町村レベルで、その全域へのサービスの開発や基盤整備、普及を推進するという、「広域開発型」とも称される役割をもちます。

市町村の関係者、包括支援センターや社会福祉協議会、ボランティア団体、NPO、介護組織の代表者などで構成される生活支援協議体のなかから、代表となる団体(もしくは個人)が生活支援コーディネーターとなります。

第2層は、日常生活圏域において、サービス提供団体の連携と協同を促す役割をもち、「圏域調整型」とも称されています。

包括センターや社会福祉協議会、民生委員、介護事業所、老人会、NPOなどが生活協議体のメンバーとなり、第1層の市町村の考え方を受けるとともに、地域づくりについて検討します。リーダーとなって、圏域の調整を行っていく団体(もしくは個人)が第2層の生活コーディネーターとなります。

第3層は、「生活サービス提供型」とも称され、実際の生活支援サービスの提供を行う役割です。サービス提供団体と利用者へのマッチングサービスを行うことから、第3層の生活コーディネーター役は、民生員や老人会など、さまざまな団体や個人が担っています。

生活支援コーディネーターの取り組み事例:三重県伊賀市

三重県伊賀市では、伊賀市社会福祉協議会(市社協)が生活支援コーディネーターとなり、住民主体の地域づくりの推進に取り組みました。

具体的には、市全域を10地区に分け、市社協の社会福祉士がそれぞれの地域のなかに入って働きかけることによってその地域の課題、ニーズを把握。それらを上層の地域ケアネットワーク会議などにつなげ、伊賀市の政策にも反映させるという、地域ニーズの基づいた資源開発が行われるような仕組みを構築しました。

そして、住民主体のNPO法人の立ち上げをサポートし、ニーズを踏まえた買い物バス、サロンの常設化などを実施しています。

取り組み成果として、「従来の社会福祉協議会が中心に展開してきた小地域ネットワーク活動から、住民自治組織を基盤とした新たな地域ケアシステムへ移行」「小市域単位で開催されているふれあい・いきいきサロンが充実」「地域特性に応じた福祉有償運送の取り組み推進」などが挙げられています。

ご近所ではじまっている、コーディネーターの活躍

日常生活のなかにおける生活支援コーディネーターの存在は、一般にはなかなかイメージしにくいようです。そこで、活動がわかりやすく図示されているホームページをご紹介しましょう。

六ツ川(神奈川県横浜市南区)地域ケアプラザ

老人会、町内会、文科系・運動系各種サークル、ボランティアグループの活動の、メンバー募集、イベントへの参加者探し、ホームページ作成サポート、ポスターやチラシ作成応援、問い合わせ窓口になるなどして、高齢者の意欲的な社会生活上のニーズや欲求に、柔軟に対応しているようすがわかります。

生活支援コーディネーターがもっと普及するためには

昨今、市町村では幅広く第2層のコーディネーターの募集を行っています。地域の介護事業所などの介護職が業務委託を依頼されるケースも多くなってきているようです。しかしまだ、地域や業界的には認知度や権限、報酬面などの、わかりにくい部分が多いのではないでしょうか。普及のためには、生活支援コーディネーターの存在と役割をアピールするように、行政や地域の協議体がより活発な広報活動を行い、人材育成を図っていくべきでしょう。

また、小規模多機能介護事業所や訪問介護事業所、デイサービスなどの施設介護事業所なども包括と連携し、積極的に生活支援コーディネーターと連携を図り、高齢者たちがより活気ある生活を実感できる地域づくりをめざしていきたいものです。

 

参考:

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