ジャニーズ事務所も実践している?間接的にほめて、部下のモチベーションを上げる

歌手の近藤真彦さんが、かつてテレビ番組に出演した時、所属事務所の社長であるジャニー喜多川さんの「間接的にほめる」人材育成方法を披露して話題になりました。「どうせほめるなら、直接ほめてあげればいいのに」と思う人もいるでしょうが、実は「間接的に」は感情表現が苦手な日本人にぴったりな方法なのです。さらに、モチベーションをぐっと上げる効果も期待できるとか。そこで、間接的にほめる方法について詳しく見てみましょう。

ジャニーズ流人材育成とは

ジャニーズ事務所所属のベテラン歌手近藤真彦さんは、若いころ、事務所社長のジャニー喜多川さんに怒られることはあっても、ほめられることがなかったそうです。顔を合わせれば「You、そんなことをしていると終わるよ」「そういうところがYouのいけないところだよ」と、ジャニーさん独特の口調でお説教をされていたようです。ところがある日、事務所の後輩に対してジャニーさんが「マッチのこういうところがすごい!」と近藤さんをほめていることを知りました。近藤さんは「ちゃんと見ていてくれているんだ。もっと頑張ろう!」とモチベーションがとても上がったのだそうです。実は近藤さんに限らず、ジャニーズ事務所所属のタレントさんたちは、みなこの方法で育てられ、芸能界で活躍しているのです。

間接的にほめることで得られる効果とは

傍聞き(かたえぎき)という言葉をご存じでしょうか。「かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと」という意味ですが、人は、直接言われるよりも、間接的に耳にしたことのほうが信ぴょう性が高いと感じてしまう生き物のようです。例えば、面と向かって「この美容液をつけると、肌がツルツルになる」と言われた場合には「ほんとに?」と疑いの目を向けてしまっても、女性誌のなかで誰かが語っているのならば信じたくなりませんか? ジャニー喜多川さんも、人のもつ習性をうまく生かしてほめているのですね。

また、表立って感情を表現することに慣れていない日本人は、本人を目の前にしてほめるのはどうも苦手と考える人が多いようです。そのような場合にも、この傍聞きの手法はおすすめです。こういった話は聞いた人が必ず本人に伝えてくれますから、「期待をしてくれているんだ。もっと頑張ろう!」と仕事に奮起してくれることでしょう。

職場で人材を育成するときには、ほめることが必要不可欠です。厳しいことを言うばかりでは成長を期待することはできないと心に留めておいたほうがよいでしょう。

実際に間接的にほめる方法と注意点は?

それでは、どういう場面で間接的にほめれば効果的なのでしょうか。普段仕事をしている時に唐突に切り出すのは不自然です。一番よいのは、気軽な飲み会の席やお昼休み、休憩などで雑談をしているときに、「そういえば……」というふうに自然に切り出すのがよいでしょう。

ただし、間接的にほめるにあたって、注意点があります。誰かと比較してほめることは絶対にしてはいけません。「Aさんに比べてBさんは、こういうところが素晴らしい」という表現を使ってしまうと、ほめられたBさんはいい気分になるかもしれませんが、Aさんに対しては悪口を言っているようなもの。比較をされることは誰もが嫌がることですから、絶対に避けましょう。

ほめ方もいろいろある

「ほめて伸ばす」教育方法が言われて久しいですが、なかなか実践するのは難しいものです。特に感情表現が苦手な日本人には頭の痛いところ。でも、面と向かってほめにくいのなら、人を介して間接的にほめる方法でも大きな効果があることを知っておきましょう。

参考:

  • 「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと 大林 伸安 著

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