介護現場でのストレス解消や脳トレにも最適。大人の塗り絵のうれしい効果とは?

絵を描くのは苦手だけど、見るのは好きという人は意外に多くいらっしゃるようです。絵には心を穏やかにさせる作用があるといわれています。こうした背景から、絵を書くことが苦手でも書いてある絵に色を塗ることならできるかもしれないと、最近、ブームになっているのが塗り絵です。書店には「大人の塗り絵」コーナーが設置されているほど盛況です。本格的でやり応えがある大人の塗り絵は、楽しいだけではなく、ストレス解消や脳のトレーニング効果があることが証明されています。

隙間時間に気軽にでき、ストレス解消にぴったり

介護施設で働く人たちは、毎日時間に追われながら仕事に奮闘していることでしょう。家に帰ってもクタクタで、休みの日に出かける元気もないという人も珍しくありません。しかし、オン・オフをはっきりさせて、上手にストレス解消をするのもまた、楽しく仕事を続けるコツ。

そこで注目したいのが、大人の塗り絵。隙間時間を使って、自宅で気軽に始められるからです。家事の合間に塗ったり、音楽を聴きながら塗ったり…。ゴロゴロ寝そべりながらでもできます。道具はそんなに高価なものをそろえる必要がありませんから、コスト面の負担も心配ありません。

自分の好きな色を使って、夢中になって塗り絵をしていると、驚くぐらい早く時間が経ちます。あっという間に2~3時間過ぎていたという話もあるくらいです。なかには「こんなに時間を使ってしまった」と、罪悪感を感じてしまう人もいますが、何もかも忘れて塗り絵に熱中することは、脳にはとても良いことです。また、腹が立ったできごとがあっても、塗り絵をしているうちに気にならなくなることも。これは、絵が心にもたらすセラピー効果なのでしょう。

脳を活性化させる効果もあり

塗り絵のすごさは、ストレス解消のみにとどまりません。実は、医学的に認知症の進行やうつ病を防ぐ効果があるといわれています。入院している認知症患者に塗り絵をしてもらったところ、進行が少し緩やかになったというデータがあります。

絵に色を塗る行為は脳全体をまんべんなく働かせるので、脳の活性化につながるようです。塗り絵をじっくり見て、どういう絵なのかを認識しようとする時、どの色を使えばいいか考える時、実際に手を動かす時……、それぞれの行為には脳のいろいろな部分の働きが必要であり、脳はフル稼働状態になるのだそうです。つまり、塗り絵は心を癒すだけではなく、脳のトレーニングにもなるのです。

介護施設のレクリエーションとしても

このようなうれしい効果があると聞くと、介護施設のレクリエーションに取り入れようと思う人も多いでしょう。

体を激しく動かす必要もない塗り絵は、高齢者にもぴったりかもしれません。大きな導入設備もいらないのもよいですね。

レクリエーションとして導入するのならば、塗り絵をする絵柄に、昔懐かしい昭和の香りが漂う絵を選ぶとよいでしょう。昔懐かしい絵を見ると「自分が元気で若かったころのこと」を思い出す人は多く、これが高齢者にとって脳の良い刺激になるのです。実際に認知症患者の治療をしている医療現場では、テーマに沿って自発的に昔話をしてもらう「回想法」という治療方法がなされているほどです。高齢者が集う場所で、みんなで一緒に懐かしい絵の塗り絵をしながらお互いの昔話に花が咲けば、なおさら脳にとって良い効果が期待できるでしょう。

介護スタッフと高齢者の両方に効果的な塗り絵

塗り絵は、忙しい毎日に追われている介護施設で働く人にこそ始めてほしい「遊び」です。その面白さが実感できたら、介護施設の利用者にもぜひすすめてみましょう。楽しく脳トレができ、癒し効果もあるのなら、言うことはありませんね。

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