悩んでいませんか? どうやったら部下にやる気を出させることができるのか…

「上司」という立場になって初めて、自分が部下だったころの上司の気持ちがわかったという人も多いかもしれませんね。「部下がやる気がなさそうなのだが、どうしたらいいのだろうか」「仕事のモチベーションを高めてもらいたい」と悩んでいる人はいませんか?

部下が気持ちよく働くには、上司の工夫が必要なのです。そこで、3つの方法をご紹介しましょう。

部下に決定権を与える

「介護」という分野は人の命に係わります。そのため、安全性には十二分に配慮しなければならず、最終的な責任は上司がもたなければいけません。しかし、部下にある程度の「決定権」を与えることは、多くの場合、部下にやる気を出させる原動力となります。

デール・カーネギー・トレーニングがまとめたところによれば、部下に決定権を与えることは、上司への信頼度を高め、職場のレベルを上昇させることにつながっているとしています。決定権を持っている従業員のうちの4割は、責任のある働きをしようとする意欲を持つといわれています。部下のやる気は、「上から与えられた情報」や「上司の決定」にしたがうだけでは出てきません。「自分がどう動いても、この決定は覆せないんだ」「何を訴えても、どうせ変わらないんだ」となると、部下のやる気が大きくそがれてしまいます。そのため、部下が自分自身で何かを決定し、職場に反映させられる環境を作ることが大切です。

「褒めること」はやる気につながる

株式会社サーベイリサーチセンターが20歳~59歳の民間企業の正社員や公務員を対象に行ったアンケートのなかの、「褒められることで、やる気は高まったか」という設問を取り上げてみましょう。

全体の8割以上が「やる気はアップした」と答えています。それに対して、「叱られるとやる気が高まる」と答えた人の割合は、わずか2割程度にとどまっています。

また、表彰制度などを取り入れている会社においては、「褒める仕組みを取り入れることで、部下のやる気はアップする」という回答が7割を超えています。

このように考えると、「叱られて伸びる」のではなく、「褒められてやる気を出す」という人が非常に多いことがわかります。誰だって褒められるほうがうれしいですよね。

待遇の改善

最後に「待遇の改善」について見ていきましょう。給料や休暇が多いことで、部下のモチベーションはあがるのかという話です。

これはなかなか興味深い話です。

いわゆるブラック企業から一部上場企業に転職した人のなかには、「前の会社はどれだけ残業しても残業代がつかなかった。だが、今の会社は全部つく。働いた分だけきちんとお金がもらえると思えば働けるし、モチベーションはあがる」と語る人もいます。

また、株式会社リンクアンドモチベーションが2015年に提供したデータによれば、「現在の役割に対して、給料や手当が少ないことを不満に思っている」と答えた人が会社に対する不満の3位になっています。「給料面」は多くの人の働き方に影響を与えているといえます。

ただし、介護福祉士からは「たしかに給料が良くなれば私たちのモチベーションはあがる。しかし、人手が足りないと介護は十分にできなくなる。丁寧な介護をするためには人手が最も重要な要素なのでは」という声があがっています。

そのため、介護の現場では「給料があがること」と「仕事を丁寧にできること」が直接的には結びつかないようです。ただ、「給料や待遇が悪いこと」がモチベーションを下げる要因になっていることは確かです。

部下のやる気を引き出すためには

部下のやる気を引き出すためキーになる方法として、「ある程度の決定権を部下に与えること」「褒めること」「待遇の改善」の3つを見てきました。

自分の一存だけではなかなか動かせないことも多いでしょうが、これらも参考にして部下のやる気の出し方をいろいろ考えてみましょう。


参考:

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