なぜみんなすぐ辞める?介護職員に長く働いてもらうためのポイントとは?

介護の現場で働いていると、「ついこの間入った職員がもう辞めている!」という状況をたびたび経験するかと思います。雇っている側も一緒に働いている職員も、そして利用者さんも、やはり同じ人と長く一緒にやっていきたいものです。では、どうすれば職員の定着率が良くなるのでしょうか? ここでは、介護労働安定センターによる「平成27年度介護労働実態調査」の結果における介護分野の職員の離職理由から定着率を良くする方策について考えていきましょう。

離職理由第3位 ほかに良い仕事・職場があった

平成27年に介護労働安定センターが行った調査によると、離職理由の18.8%を占めて第3位となったのが「ほかに良い仕事・職場を見つけたから」という理由です。介護職は病院、介護施設、訪問介護ステーションなど働ける場所は多岐にわたります。また、資格職であり人材不足であることから引く手あまたとなります。そのため、自分の働き方に合っている職場が見つかれば転職するというケースが珍しくありません。

事業所では、やる気や能力に合わせた賃金の増額、研修や講習など学べる場の提供、子育てが忙しい職員には夜勤の免除や時短勤務などの支援を行うなどして、「やりがいがあり、働きやすい職場環境」をつくることに力を入れなければならないでしょう。

離職理由第2位 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方への不満

離職理由全体の21.6%と、1位と僅差だったのが「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」です。入職前に事業所の理念や運営について聞いてはいるものの、「聞いていたことと違う」「こんなはずじゃなかった」という不満が離職につながったケースが多かったということです。

この「理念、運営のあり方への不満」のなかには有給消化や希望休などの休暇に関する問題、研修や講習など教育体制に関する問題なども含まれています。近年では、OJTやキャリアパスといった教育、研修プログラムの整備が国をあげて進められてきています。しかし、介護分野では年ごとに国が新しい施策を打ち出すことがあるように、まだあり方が定まっていない状況です。そのため、Aさんが受けた時代の教育内容とBさんが受けた時代の教育内容が異なり、それに伴う意見の不一致や、管理職でも人によって指示する内容が異なるというような事態が頻出し、フラストレーションやストレスが蓄積することは珍しくありません。また別の側面として、さまざまな場面で事業所としての統一性が感じられなくなることも不満となるようです。

そのため、事業所側は、職員と密にコミュニケーションをとることによって、お互いの理解を深めることが問題解決の糸口となるように対策をしていく必要があります。

離職理由第1位 職場の人間関係

そして、離職理由の1位で全体の25.4%を占めているのが「職場の人間関係に問題があったため」です。職場の人間関係は介護職員のみならず、どの職種でも問題となることではあります。しかし、介護職員の場合、前述したように教育や研修制度がきちんと整備されていない現状から、職員によって指示が違うということが起こりがちであり、それが人間関係にも影響を及ぼすようです。正規職員のほうが非正規職員よりも職場の人間関係に悩んでいる人が多いという結果も出ています。

事業所では、職場の人間関係を改善するため、コミュニケーションを積極的に図るとともに、ときによっては本人の希望する部署への配置換えなどの対策が必要かもしれません。一般的に、経験年数や施設への在籍年数が長い職員が経験年数や在籍年数の短い職員をフォローするという体制をとると、職場内の人間関係が円滑に進むことが期待されます。また、新人の早期離職を防ぐためには、新人のためのメンターや指導担当を置くなどの対応策が考えられます。

職員の不満を拾い上げるシステムをつくる、時間をかけてよく話し合うことができる機会を定期的に設けるなどして、定着率の向上を目指しましょう。

 

参考:

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