アサーションは職場内のコミュニケーションを改善する?その効果とは

介護士が職場を辞める理由でも上位にくるほど深刻な問題となっているのが、チーム内や上司とのコミュニケーション。職場でもこの問題を解決するためにさまざまな取り組みがなされているのではないでしょうか。今回は、コミュニケーション問題の解決の糸口になりそうな「アサーション」という方法をご紹介します。

アサーションとは?

アサーションとは、「自分と相手を大切にする表現技法」を指します。自分の意見を主張する際、自分の感情や思いを隠さずに行動とともに表すことがポイントのひとつです。また、自分だけでなく相手のことも大切にしながら表現するという点がアサーションの特徴でしょう。英語ではassertionは「主張」や「断言」を意味しますが、決して一方的に自己主張するという表現技法ではありません。アサーションを実践するときには、この点をしっかりおさえておきましょう。

具体的なアサーションの内容について、見ていきます。

介護の現場でアサーションを活用しよう!

介護施設でアサーションを活用する場合、どのように行えばいいのでしょうか? 介護施設にありがちな例題を用いてご紹介します。

一人ではこなせない量の仕事を上司から頼まれた場合

上司から頼まれた仕事をすべてこなしているうちに負担が大きくなり、日を追うごとに気分が重く……という人は、どの業界でも少なくないでしょう。介護施設でも同じ光景が見られます。

例えば、介護職員のAさんが利用者の介護記録を作成していたところ、上司から「この書類もすぐに作成してほしい」と声をかけられたとします。

今現在、Aさんはほかにも急ぎの仕事を抱えているため引き受けられない状態です。では、このような場合はどのように返事をすればよいのでしょうか?

アサーションを使った上手な断り方

ここで、アサーションの基本を思い出してみましょう。最初にお話ししたとおり「相手のことを大切にし、かつ自分の意見も伝えること」が大切です。

つまり、頼まれた仕事を無理に引き受けたり、「できません」と一言で断ったりするのは望ましくないといえます。返事の仕方ひとつで、相手が受ける印象は変わるため、上手な断り方あるいは譲歩の引き出し方を考えましょう。ポイントは、「状況説明」「相談」「譲歩案」を組み込むことです。

「介護記録を今日中に作らなければなりません。明日以降なら少し手が空きますので、明日中の作成でよろしいでしょうか?」このような言い方であれば、状況→譲歩→相談の順番で、ポイントをクリアしています。必要な情報を、説明の中に盛り込むだけなので、誰でも実践できる方法でしょう。

アサーションを介護施設で使用するとどんな効果があるのか

アサーションを介護施設で使用した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか? 良好な人間関係を作るだけでなく、次のような効果も期待できます。

効果(1)離職率ダウンが期待できます

介護士が離職する理由のひとつとして、同僚や上司とのコミュニケーション問題があげられます。アサーションを活かせれば、意見の押し付け合いにならないように自分をコントロールしつつ、上司・同僚と感情や思いを共有できるでしょう。このように、自分と相手を大切にする方法をとれば、職員間でのスムーズなコミュニケーションに役立ち、風通しの良い職場につながります。

効果(2)介護現場でのストレス対策になります

介護現場では、常に利用者が優先されます。そのため、上司から頼まれた仕事を「NO」と断れず、負担が大きくなってストレスにつながることもあるでしょう。現場以外の仕事についても、「断ると自分の立場が悪くなるのでは」と考えてしまい、無理に引き受けてしまうという人がいます。

このようなときにアサーションが身についていれば、上手に断り、無理なく仕事を進めるための提案をすることができます。仕事中のストレスが大きくなった結果、メンタルヘルスに影響が出たという人は多く、結果的にモチベーションの低下や離職につながる可能性があります。つまり、ストレス対策は介護職員のためだけでなく、施設全体のサービスの質の維持・向上のためにも重要といえるでしょう。

一工夫を加えて円滑なコミュニケーションを目指しましょう

アサーションとは、決して難しい表現技法ではありません。日常のコミュニケーションを、ほんのひと工夫するだけでできるものです。アサーションを用いてコミュニケーションを円滑に行うことができれば、それに付随して職員の定着率も高まるのではないでしょうか? ぜひ、施設全体で意識的に試してみたい表現技法です。

 

参考:

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