介護福祉系学生の資格取得の現状は?

2015年6月の厚生労働省の発表によると、2025年には約37.7万人の介護人材が不足すると推計されています。しかし、人材不足はすでに深刻になっているといえるかもしれません。

その対応策として所轄官庁や介護業界は、外国人、主婦、定年世代などから人材や労働力を確保するプロジェクトを立案推進し始めており、その裾野は広がりつつあります。

介護業界における若いマンパワーへの期待は、ほかの業種に比べて劣るわけではありません。若い世代がいずれ次世代の管理職層、経営層となり、これからの介護を担う中心となるからです。

そこで今回は、介護や福祉を目指す若い世代にあたる、介護福祉士養成施設(大学・短大・専門学校など)の学生たちの現状について見てみましょう。

先送りが相次ぐ介護福祉士資格取得のルール変更

従来、介護福祉士養成施設で学ぶ学生たちは、学校を卒業すると同時に国家試験を受験することなく介護福祉士の資格を取得することができました。

ところが厚生労働省は、2012年度から学生にも国家試験の受験を義務づける方針を打ち出しました。介護分野における人材の質の向上を意図したものではありましたが、介護の人材不足に拍車をかける懸念があったため、実施は2015年度に、その後2016年度にとたびたび延期されていました。そして、さらに2022年度まで先送りされることとなり、段階的な移行が決まったのです。

切実な介護の人材不足に対する配慮を優先する形になりましたが、学生や学校関係者などにとっては、毎年のように変わる施策の情報収集に追われ、気忙しい資格取得活動を強いられています。就職活動や目標設定にも集中しにくい、落ち着かない状況にあることを理解しておきましょう。

完全移行までの経過措置期間は5年

それでは、経過措置の具体的な内容を見てみましょう。

まず、2017~2021年度は制度変更までの経過措置期間となりました。この期間に介護福祉士養成施設を卒業した学生には、5年間の期限付きで介護福祉士資格が付与されます。つまり、これまでのように卒業=介護福祉士資格取得となるのですが、5年の期限内に正規の国家試験に合格するか、介護現場で5年間勤続しないと、資格が失効してしまうのです。

介護福祉士養成施設では、5年の猶予に依存せず、在校中に国家試験に合格できるように授業や指導の体制を整えているところが多いようです。しかし、学生のなかには介護福祉士の受験をせず、経過措置期間をいわば仮免許で公道を運転するような、甘い感覚でとらえている人がいるかもしれません。介護事業所サイドでは、このような学生の気質をしっかりと把握し、場合によっては採用後に介護という大切な仕事に真摯に取り組む姿勢を教育し、導いていける体制を用意しておくといいでしょう。

今後の動向を継続してフォローしよう

2022年度以降は、介護福祉士養成施設を卒業しても年1回の国家試験に合格しないと介護福祉士の資格が取得できなくなります。しかし、介護の人材不足が待ったなしの状態であることをふまえると、制度がさらに玉虫色に変化する可能性があります。今後の動向を注視する必要があるでしょう。

介護を目指す学生に対するより積極的なサポートが望まれる

人材不足を解消するには、介護業界全体がインターシップや企業訪問をより積極的に支援したり、体験入社や学校でのワークショップ展開を図ったりといった取り組みが必要だといえそうです。

介護の仕事を目指すにあたって、一般的な公的奨学金を取得して勉強する学生は少なくありません。中小規模の介護施設であっても、新卒の採用活動だけではなく、学校サイドとタッグを組み、会社独自の奨学金を付与し、卒業後は自社でそのキャリアを伸ばしてもらうという方法を考慮すべきかもしれません。

 

参考:

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