1日1回の短時間ミーティングが介護現場にもたらすメリット

介護の仕事では数多くの課題が日々発生します。ときには、課題が多すぎてスタッフが処理しきれないということもあるでしょう。しかし、1日1回の短時間のミーティングを行うようにすると、課題が山積みになる前に処理することで早期解決ができるようになります。短時間ミーティングには、ほかにもさまざまなメリットがあります。そこで今回は、短時間ミーティングのメリットと具体的な導入方法を確認しましょう。

短時間ミーティングの4つのメリット

短時間ミーティングを実施することには、以下の4つのメリットがあります。

1. 問題の解決を先延ばしにせず話し合える

日々忙しい介護の現場では、何らかの問題が発生しても「時間ができたときに話し合えばいい」と考えてしまいがちです。しかし、それではいつまで経っても話し合う時間を確保できないまま問題が長期化してしまいます。1日に1回、必ず短時間ミーティングを実施することで、問題が生じた時点ですぐに解決へ向けて話し合えるようになります。

2. 重要なことをすぐに共有できる

介護の仕事では、現場スタッフで共有すべき重要な事項が数多くあります。短時間ミーティングを1日のスケジュールのなかに組み込むことで情報共有の機会が増え、スムーズな伝達が可能になるでしょう。

3. 業務の流れがスムーズになる

1日1回の短時間ミーティングは、仕事の進め方を確認する絶好の機会です。全体の業務の流れがスムーズになるとともに、ミスの予防にもつながります。

4. 時間外のミーティングを最小限にできる

毎月の定例ミーティングを行うことはよくあると思います。しかし、月に一度の実施では議題が多くなり、話し合いに要する時間が長くなりがちです。そのため、まとまった時間が取れる業務時間外に開催しているというケースがあるかもしれません。また、多くの議題を扱うということは、欠席すると新しい業務の流れについていけなくなる可能性があります。そうなると、スタッフはたとえ休日でも出勤しなければならなくなってしまいます。

短時間ミーティングを毎日行うようにすれば、月1回の定例ミーティングで扱う議題をシェイプアップできます。時間外のミーティング開催を最小限に、さらには撤廃することができれば、スタッフの満足度の向上にもつながります。

短時間ミーティングの導入方法

短時間ミーティングの導入にあたっては、いくつかのポイントがあります。メリットを最大限に引き出すためにも、以下で確認してみましょう。

1. お昼の休憩後に実施する

申し送り後にミーティングを行っている介護施設は多いと思います。しかし、午前中に片付けなければならない業務が多いためにバタついてしまうという問題点があります。そこで、短時間ミーティングはお昼の休憩後に行うのがおすすめです。午後の業務の確認や、午前中に飛び込んできた急な業務を共有できるため、混乱しがちな午後の業務がスムーズになります。

2. 時間は15分以内にする

忙しい業務中には、まとまった時間が取りづらいものです。しかし、15分以内の短時間ミーティングであれば、実施のハードルは低くなるでしょう。人間の集中力の観点からも、時間は短く設定することをおすすめします。

3. 立ったまま行う

着席してミーティングをすると、ダラダラと長引いてしまうことがあります。話を手短に終わらせるためにも、ミーティングは立ったままで行うようにしてください。

4. 取り扱う内容は3種類に絞る

短時間ミーティングで取り扱う内容は、「午後の業務の確認」「伝達事項」「問題提起」の3種類に絞りましょう。そうすることで時間を短くしやすくなり、話が脱線するのを防ぐこともできます。

5. 答えはその場で出さなくてもOK

15分という短い時間のなかで、提起された課題の結論を導き出すのは難しいため、その場で答えを出す必要はありません。まずは問題の提起と共有に留め、翌日まで、1週間後までと期間を設けて各自で考えてもらうようにしましょう。そうすることで、ミーティング自体の時間は短くてもしっかりとした意見を述べてもらうことができます。

ミーティングで扱う議題がないときは?

毎日ミーティングをやっていると、問題提起や伝達事項がほとんどなくなり、午後の業務の流れを伝えるだけになることが続くかもしれません。しかし、それでも問題はありません。日常的に意見を交わしコミュニケーションを取る場を作り、職場内の風通しをよくすることも短時間ミーティングの目的なのです。

また、介護の現場ではいつ問題が発生するかわかりません。短時間ミーティングを導入して毎日話し合える時間を確保していれば、問題の早期解決に向けてすぐに動き出すことができます。

上記のような理由から、短時間ミーティングは毎日続けることが大切です。スタッフから無意味なのではないかと不満が出たときは、その目的と効用を理解してもらいましょう。

忙しい施設ほど1日15分のミーティングが効果的

解決しなければいけない問題が山積みになっている施設や、なかなかミーティングができずにいる施設ほど、短時間ミーティングの効果が期待できます。1日15分と導入のハードルが低く、どの施設でも実施しやすいので、ぜひ取り組んでみてください。

 

参考:

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