介護施設のIT化を進めるには?PCが使えない職員への対処法

介護の記録業務を効率化したいけれど、IT化が進まず、いまだに手書きや口頭伝達によるアナログ作業が多い……。このような状況に陥っている介護施設や事業所は多いのではないでしょうか? その原因としては、できる限り業務をIT化(コンピュータ技術を活用した事務の効率化)したくとも、現場の介護スタッフがパソコン操作に不慣れで知識が乏しいため導入が進まないということが考えられます。それでは、介護現場ではどのような対処法をとればよいのでしょうか。今回は、実例を見ながら考えていきます。

介護業界はアナログ作業が多い?

現在のところ、介護記録はすべて手書き。その理由は介護スタッフがパソコンに疎く、キーボード操作に慣れていないから。そういういう介護施設が実状として多いのではないでしょうか。また、教育が必要だとわかっていても、煩雑な日常業務が優先されて、パソコン操作の練習や研修の時間がなかなか取れないということもあるでしょう。しかしながら、介護施設におけるIT化は、今後、提供サービスの向上に欠かせないものとして進められていくと考えられます。それでは、介護施設や事業所の介護スタッフがどのようにIT化に対処していくべきか、以下に見ていきましょう。

OJTでITリテラシーを向上させた介護施設

IT化の必須条件として、まずは介護スタッフのITリテラシーを向上させなければなりません。そこで、特別養護老人ホーム「なごみの里」でIT化のために行われたOJT(オン ザ ジョブトレーニング:企業内で行われる、実際の業務を通じた教育手法)についてご紹介しましょう。

特別養護老人ホーム「なごみの里」では、新規開所にあたって「絆・高齢者介護システム」という大手ITソリューション会社の開発したソフトを導入しました。そして、開所準備として、リーダー格の職員を一か月半前に先行採用、ソフトを提供した会社にも研修に加わってもらい、徹底的にシステム習得の研修を行いました。コアになる職員がシステムをマスターしたところで、その後に入職した新規介護スタッフへのOJTを行いました。採用した職員のPCスキルには格差があり、キーボードに慣れていない人も多く、まずは「施設のオープン時までに簡単な入力作業を行える」ことを目標に職員のレベルアップを図りました。

スタッフの負担が大きい介護記録を支援するシステムの導入

介護スタッフの負担が大きく、IT化が進んでいない作業として「介護記録」が挙げられます。人によって記載する項目や単位が統一されておらず、記録したデータも分析に活用できる状況にないという場合が多いようです。

その解決策として、介護スタッフのITリテラシーの度合いに関係なく、作業効率を向上させることができる「介護記録システム」の導入が考えられます。介護記録システムの操作はタブレットで入力するタイプが多く、現場の介護スタッフが持ち運び可能で、PCの操作に不慣れなスタッフでも直感的に素早く操作できるようになっています。画面に分類別の介護情報入力の欄があり、プルタブで項目の選択ができたり、入居ユニットを選択すると利用者名が表示されたり、利用者のパーソナルデータが自動表示されたり、食事や排せつなどの項目をクリックするだけでさまざまな介護記録を作成できたりします。このようなソフトウエアを利用すると、言語入力は特記事項の部分だけなど限られているので、キーボードに不慣れな介護スタッフでも比較的容易に使いこなせるようになるでしょう。

また、事例でご紹介したように、計画的にコアとなる介護スタッフがPCスキル、ソフトウエアの使い方に習熟したうえで、現場の介護スタッフにマンツーマンでOJTを行って落ちこぼれがない指導が実現できると、短期間で施設全体のレベルアップが図れるでしょう。

IT化を阻む問題点を改善して、サービス品質を向上

介護施設や事業所のIT化を考えるうえで、研修によるパソコンスキルの底上げや、不慣れな人でも容易に操作ができる専用のシステムを導入するなど、介護施設側でもIT化を阻む問題点を積極的に改善する努力が必要でしょう。また、施設内のIT化は、正確でリアルタイムな情報共有ができるため、利用者のご家族への生活情報の迅速な報告なども可能するので、施設のサービス品質の向上も期待できるでしょう。

介護の業務改善事例については、こちらでも紹介しています。
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参考:

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