意味を知ればやる気になる?やり方の工夫も?節分の意味と、介護施設で楽しむ方法

節分は、日本の大切な伝統行事です。最近は介護施設で働く介護士さんの年代が若くなり、豆をまいたことはあるけど、なぜ豆をまくのかわからないという人もいます。入居者の世代では、節分はごく当たり前の行事でした。しかし中には、節分の意味を正しく理解していない人も。日本の伝統行事のはずが、最近は盛り上がりに欠ける感じですが、意味を知れば面白くなり、入居者との話題作りにもなります。

今年の豆まき(節分)を入居者と一緒に楽しむためにも、豆まきの意味を理解して介護施設での応用方法を考えましょう。

節分の意味と歴史とは?

まず、節分を楽しむために押さえておきたいのが、節分の意味と歴史です。どうして豆をまくのか、なぜ豆まきをするようになったのかについて見てみましょう。

節分の歴史とは?なぜ豆を投げるの?

節分には「せち分かれ」という別名があります。せち分かれとは季節の変わり目のことで、立春、立夏、立秋、立冬の前日を指します。もともと1年に4回あったものが、室町時代のころから、節分は立春の前日のみを指すようになったようです。

季節の変わり目は鬼が入ってきやすいといわれており、新しい年になる前に邪気を払って福を呼び込むために行われた追儺(ついな)という宮中行事の名残が、今の節分です。追儺の儀式は、平安時代に中国から伝わったといわれています。豆まきもこの追儺で行われていたものとされています。

鬼は陰(おん)という言葉が発祥となっており、陰とは邪気のことを指します。また、天災などの悪いことは鬼が原因であると考えられていました。豆まきは、邪気や鬼を払うために、悪魔のような鬼の目「魔目(まめ)」に豆を投げれば魔が滅する(魔滅)という意味から、豆を投げるようになったと考えられています。また、鬼を払うために鬼の嫌いな柊に鰯の頭を刺したもの(焼嗅:やいかがし)を戸口に置いておくのも古くから受け継がれている風習のひとつです。

このように、春が待ち遠しい季節の変わり目に、邪気や鬼を払うというのが、節分の意味なのですね。

正しい豆まきの方法とは?

次に、豆まきの方法をご紹介します。鬼の役の人を追いかけて、みんなで豆を投げるというイメージもありますが、正しい作法を知れば、豆まきも一層楽しくなるものです。また、入居者のなかで、毎年豆まきに参加しない人はいませんか? 作法に則っての豆まきということならば、参加してくれるかもしれませんよ。

  • 投げる豆は前日に用意

豆まきの豆は炒った大豆を使用します。前日までに準備し、升に入れて神棚に備えておきます。

  • 豆まきは夜、一家の主が行う

鬼は夜中にやってくるといわれているため、豆まきは夜に行うのが一般的です。

豆をまくのは、本来は家長の役目でした。地域によってはその家の年男、年女、厄年の人、長男であることも。節分行事を断る入居者のなかには、自分は豆をまく役目ではないため関係ないと思っている人がいるかもしれませんね。

また、豆まきは一般的に「鬼は外、福は内」というかけ声で豆をまきますが、地方によってかけ声は違うようです。どのようなかけ声だったか、入居者たちに聞いてみるのもよいでしょう。

  • 豆をまき終わったら年の数+1の炒り豆を食べるか、福茶を飲む

豆まきが終わったら数え歳+1の豆を食べます。豆の数が多くて食べきれないという場合は福茶を飲むのもよいとされています。福茶とは本来、新年に初めて汲んだ水(初水)を使用してたてるお茶のことをいいます。節分では邪気を払うためにこのお茶に福豆を入れていただきます。もちろん、普段飲んでいるお茶に福豆を入れて飲んでも構いません。

介護施設で楽しく、参加率の高い節分をするには?

介護施設で、楽しく入居者の参加率の高い「節分レク」を行うにはどうしたらよいでしょうか? 前述の内容をもとに考えてみましょう。もともと、邪気や鬼を払うのが目的ですから、豆まきだけにこだわる必要もないのかもしれませんね。

  • なるべく本物の豆を使いましょう

介護施設での節分は、危ないからという理由で、新聞紙を丸めたものなど、豆の代用として大きく見やすい形状のものを使用するといった工夫をしているかと思います。しかし、新聞紙を丸めたものではリアリティーに欠け、認知機能に問題のない入居者からの反応も良くありません。参加率が下がる原因につながります。例えば、つかみやすく後始末も簡単な落花生などを利用すると、本物志向の入居者を喜ばすことができるでしょう。

  • 焼嗅をみんなで作れば参加率アップ

前述したように、豆をまく行為は家長や年男がしていたこともあって、女性の入居者はお誘いしても参加してもらえないことがあります。そういう時は、みんなで焼嗅を作りましょう。さすがに鰯の頭は準備することが難しくコストもかかるので、イラスト等で代用するとよいでしょう。

焼嗅ならば、家仕事の一環として女性が準備することが多かったこともあり、積極的に参加してくれる入居者も多いのではないでしょうか。できあがったら、それぞれの部屋の前に置きましょう。

  • 豆が食べられなければ福茶で節分を

豆をまいた後に年の数だけ豆を食べるといわれていますが、入居者の年齢を考慮すると現実的ではありません。嚥下障害があって豆が食べられないという人もいるでしょう。そんな人でも節分に参加できるよう、福茶を提供してみてはいかがでしょうか。入居者の年代でも福茶について知っている人は実は少ないようです。こちらから福茶の意味を説明しながら勧めれば、おいしく召し上がってくれるはずです。高齢者は、日常生活でできなくなることが多くなるなか、こうした行事に参加して楽しめれば、その思いが介護施設でのいろいろな行事への参加につながるかもしれません。

意味を知ることで一層楽しめる!

近年では、メディアやスーパー、コンビニなどのキャンペーンの影響もあって、「豆を投げて恵方巻を食べる=節分」となっています。実は、節分に恵方巻を食べるのは関西地方の習慣で、全国に広まったのはごく最近のことであり、節分の歴史や具体的な意味を知っている人は少なくなっているように感じます。

今日まで節分という文化を受け継いでくれた入居者の世代に感謝をし、ここでもう一度、節分の意味を互いに確認するのは良いことではないでしょうか。季節ごとの伝統的な行事には、入居者も馴染みがあるはず。節分の意味を理解すると、いろいろな工夫も生まれて、行事が楽しくなり、入居者の参加率や職員のやる気アップにつながるかもしれません。今年の節分レクは、ぜひその意味や地域の習慣についても入居者たちと共有しながら、行事を盛り上げましょう。

介護の業務改善事例については、こちらでも紹介しています。
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参考:

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