キャリアマップで自分の介護ワークの未来を描く~在宅介護編~

厚生労働省では企業が人材育成に取り組むにあたり、職業能力を客観的に評価するため業種ごとに「職業能力評価基準」を策定しています。指定されている業種は葬祭業、外食産業、フィットネス産業、卸売業、スーパーマーケット業、電気通信工事業、ホテル、旅館業、アパレル業……など多種多彩な63業種ですが、そのひとつに訪問介護サービス、通所介護サービス、訪問入浴サービスなどを包括する「在宅介護業」があります。

そして、この「職業能力評価基準」をより簡単に利用できるように作成したツールが「キャリアマップ」と「職業能力評価シート」です。今回は、私たち介護スタッフがかかわる「介護の仕事の具体的なキャリアが一目で見られる地図=マップ」についてチェックしてみましょう!

在宅介護業のキャリアマップとは?

キャリアマップでは、介護仕事の時間的なキャリアが縦軸にあり、自分の将来がさまざまな選択肢として横軸に配置されているというボードゲームのようなチャートです。

在宅介護業の場合のキャリアマップでは、職業能力評価基準で設定されているレベル1~4が縦軸で表されています。これは、介護スタッフとしてかかわった年数によるステップアップを表現したものです。

  • レベル1=ケアスタッフ初級(常勤1年 / 非常勤2年程度)
  • レベル2=ケアスタッフ中級(常勤2年 / 非常勤4年程度)
  • レベル3=ケアスタッフ上級(常勤5年 / 非常勤10年程度)
  • レベル4=熟練レベル(介護福祉士、認定介護福祉士などの資格を取得しているレベル)

常勤2年、もしくは非常勤で4年ほど介護勤務を続け、レベル2程度のキャリアを積んだ介護スタッフは一般的に、サービス提供責任者(以下、サ責)やリーダーの候補としてポジショニングされ、次のステップ、レベル3まで進むと熟練したサ責、チームリーダーとしての活躍できるレベルに位置付けられます。

キャリアの種類と内容

次に、キャリアマップの横軸を見てみましょう。横軸となる仕事のタイプは次の4つに分類されています。

まず、熟練キャリア(専門性の高い業務対応)。これは介護スタッフとして現場での頂点を目指すもので、介護福祉士の上級資格として現在制定が準備されつつある新しい職種「認定介護福祉士」などを目指すキャリアです。

次のマネジメントキャリアはサ責などを経て、部門や複数あるいは単一サービス事業所の責任者を目指します。管理部門の仕事で、訪問介護事業所などの運営などに今後ますます欠かせない大切な職種です。

教育キャリアは、介護スタッフを指導したり、教育や研修会などの講師などとしての活躍を目指すキャリアです。現場を離れても介護関連の仕事が長期間続けられるキャリアとして注目されています。

豊富な介護のキャリアを、職種転換という形で生かす選択肢もあります。例えば、ケアマネージャー、生活相談員などを目指していくのがこの職種転換型キャリアです。

キャリアマップで自分の介護ワークの目的地を知る

キャリアマップの活用を実例から見てみましょう。

東京の在宅介護業のナイスケア社では、新入社員に対するキャリア形成の方法が課題となっていました。というのも、入社時期がまちまちなうえ、全くの未経験者もいれば、施設介護の経験はあるけれど在宅介護の経験はないなど経歴もさまざまであり、しかも自己申告の在宅介護経験スキルのレベルと実際のレベルにはギャップがあったからです。

そこで、ナイスケア社では、自社版のキャリアマップを作成し、効果的に活用することで課題解決に成功しています。仕事ぶりの自己評価と上司の客観的評価をわかりやすくOJTコミュニケーションシート(上司と部下双方が記入、共有する業務評価表)に入力。面談で評価のギャップをいっしょに分析検討、目標設定を行います。さらに、例えば、Aさんは最終的には介護の仕事を続けキャリアを積み上げて、ケアマネージャーになるための努力を、Bさんはサ責を経て管理者として事業所を切り盛りする仕事をしていく方向でなど、本人、上司、会社がキャリアづくりに一丸となって取り組んでいく体制を取っています。

介護の仕事にかかわる介護スタッフにとって、自分の目的地を知るキャリアマップの作成は、モチベーションを高めるためにも有意義な作業となるでしょう。上司や管理者とタイアップして、しっかりコミュニケーションを取りながら取り組んでいきたい課題といえそうです。

介護の業務改善事例については、こちらでも紹介しています。
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参考:

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